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リーダー。 ページ32

愛里さんが、葛城君がリーダーだなんて凄い秘密を知っちゃったねと言う。
清隆が、後で平田君に言っておくと告げて歩き出した。
色々と掴めたこともある、これ以上の長居は不必要である。
皆の所に戻る。
他の男女からおかえりと微笑まれるのを受け流しながら、私は清隆と鈴音さんとの会話を耳で聞いていた。

「はぐれた?高円寺君と?」
「あぁ。アレは、俺が制御出来るような人間じゃない。分かってるだろ。」

清隆が肩を竦めるが、それは「今」の貴方だからでしょ?
それともなぁに、「本当」の貴方でもコントロール出来ないとでも言うの?
それなら、アレも不穏分子ってことになるのだけれど。
思考を巡らせながら沢山の声に1つ1つ返していると、それを遮らんとする平田君の声が飛んできた。

「池君達が、水源のスポットを発見してくれた!僕達も、合流しよう!」

向かった先では、既に池君が上裸になって水浴びをしていた。
確かにそこは、空気の良い場所だった。
透明な水の流れる川がすぐ傍にあり、強い日差しも躱せる生い茂る葉も十分。
8時間ここが占有出来れば、皆のテンションも高いままで維持出来るだろう。
辺りを見回し、先程見つけたのと同じカードの翳し場所を見つける。

「ここをベースキャンプにするのは確定として、問題は占有するかどうかだね。」

そう、ここが問題なのだ。
勿論占有するのも1つの手だが、そのためには8時間に一度更新のためリーダーがキーカードを翳さなければならない。
その時、もしその様子を他クラスの人間に見られたらまずいのだ。
みすみす敵クラスに、ポイントを差し上げることになってしまう。
腹立たしいので、それは是非とも阻止したい。
平田君も同じことを指摘し、山内君の囲んで隠すという方法を皆に聞く。
朗らかに意見が飛び交い、占有することに決まった。

「じゃあ後は、誰がリーダーをやるかだ。」

順当に行けば、遺憾無くリーダーシップを発揮する平田君か、女子達の間で絶対的な発言力を持つ軽井沢さん辺り。
されど、それでは相手にあまりにも分かり易い。
向こうも、リーダーが誰かを想像しながらこちらに出向いてくるだろう。
ならば、安易に的中されるような人選では駄目だ。
私は、平田君が良いという流れになるクラスの空気を壊すように手を上げた。
皆を呼び寄せ、小声でも通るように距離を縮める。

『色々考えてみたの。平田君や軽井沢さんがリーダーってのも勿論賛成なんだけれど、それだとあまりに目立ちやすいでしょ?』

信じて。→←間一髪。



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沙羅(プロフ) - 橋本ー!!!!ありがとうございます!この小説に橋本と龍園が出てくるだけで最高にテンション上がります!これからも応援してます! (3月27日 1時) (レス) @page22 id: e669b9fbcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年3月18日 18時

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