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茶目っ気。 ページ28

「だが、旋毛風の言うことも一理あるんだぞ平田。これだけの人数をまとめるということだけでも大変なのに、そこに人間の欲望を混ぜ込んでいけば、行き着く先は目に見えている。」

私の肩を持ったのは、意外にも幸村君だった。
大して話したことも無いけれど、私の懸念は伝わっていたらしい。

「勿論、幸村君の言うことも間違っていない。けど簡易トイレ1つっていうのは、最初から無理があるよ。ある程度ポイントを使う方が、効率が良いんじゃないかな。」
『まぁ…確かに。無闇矢鱈と我慢すれば、ストレスを溜めたり不安を煽ってしまうもんね。衛生面も、心配だし。女子達もその方が、安心して臨むことが出来ると思う。』
「旋毛風…」
『私の気持ちを理解してくれてありがとう、幸村君。けれど、理性1つで人間は動いているわけじゃないから。』
「…あぁ。」
『それにもしかしたら、こんなこと言ってる私も意見を翻してポイントを沢山使いたい!って言い出すかも知れないからね。今のうちに、平田君や幸村君を味方につけておきたいってのもあるけど。』

てへっと恥ずかしげに笑って、舌を出して見せる。
平田君と幸村君の表情が、柔らかくなった。
よし、こんなもんだろう。
茶目っ気のある言い回しも、場の空気を和ませるには必要だ。
それにこの理屈ならば、幸村君でも反論は出せないでしょう?
私が内面でほくそ笑んでいるのを知らない平田君は、人の良い笑みを浮かべてクラスの中心に立った。

「次はベースキャンプを決める為に、僕らも探索しようと思う。」
「そうなの?」
「何処に腰を据えるかで、ポイントの消耗にも大きく関わっていくからね。一緒に行ってくれる人は、居るかな。」

他ならぬ平田君からの頼みということもあり、数人がすぐに手を上げた。
1人何故か木の上に腰を下ろす高円寺君まで行こうとするとは、意外である。
清隆も、そろりと挙手していた。

「お前も行くか。」
「私は、遠慮しておく。でも、貴方が志願するなんて珍しいこともあるものね。」
「役割を持たないと浮くからな、行くぞA。」
『うん。』

清隆に続いて前へ躍り出た私を見たのか、愛里さんも追いかけてくる。

『あら、愛里さんも一緒?』
「わ、私もやらせてください…!」
『勿論、共に頑張ろうね。』

愛里さんお気に入りの柔和な表情を貼り付けて、前を向く。
手を上げたのは、全部で9人。
平田君の進言で、3人に別れて進むこととなった。

アレ。→←ちょっと怖いくらい。



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沙羅(プロフ) - 橋本ー!!!!ありがとうございます!この小説に橋本と龍園が出てくるだけで最高にテンション上がります!これからも応援してます! (3月27日 1時) (レス) @page22 id: e669b9fbcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年3月18日 18時

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