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本気を出しちゃあ可哀想。 ページ26

『まぁまぁまぁ、一旦落ち着いて。喧嘩腰で会話していたら、解決することも出来ないよ。』
「はぁ??じゃあ何、旋毛風さんはこんなのでトイレしろっての?アンタは、端っから男子の味方なの?!」

ちょっと、私に八つ当たりしないでよ。

『そうは言っていないでしょう。ただ、幸村君の言葉にも一理はあるって言いたいの。』
「それってやっぱり、男子の味方ってことじゃん!アンタは良いわよね、どうせ何かあっても綾小路君が守ってくれるもの!」

無関係の清隆の存在まで引っ張り出され、流石にカチンときた。

『清隆は関係無いわ。兎に角こんな段階で揉めていたら、試験はクリア出来ないよってことを伝えたいの。文句を言うだけなら幼稚園児にだって出来るのよ、生産性の無いことしないで。』
「はぁ?!大っ体アンタはいつもそうやって上から目線で何かと言ってくるけどさぁ、変な勘違いするのも大概にしてくれる?!」
『そうやって私に八つ当たるのも構わないわよ、全て右から左だもの。でも、そうしたツンケンした態度が反感を買う場合があることも忘れないでね。』
「またそうやって上から!!」

ヒートアップする言い合い…もとい私の一方的な煽りにいよいよ軽井沢さんの手が振り上げられそうになった刹那。
平田君が、大声を出した。

「軽井沢さん!!言い過ぎだ、旋毛風さんの言う通りだよ。今ここで争っていても仕方無いだろう、それよりも如何に今からをクリア出来るかを考えなきゃ。」
「でも!!」

ふと、視線を感じた。
方向を辿ると、清隆の呆れたような物言いの瞳がこちらを見ている。
さしずめ、あまり本気を出して応酬してやるな…ということだろう。
そうね、本気を出しちゃあ可哀想ね。
私は後腐れを残さないよう、軽井沢さんに向き直って頭を下げる。

『ごめんなさい、軽井沢さん。今は言い争っている場合じゃないのに、つい噛み付いちゃって。』
「えっ、あぁいや…えっと…」
『軽井沢さんさえ良ければ、今のことは一旦忘れて試験を一緒に乗り切ろう?』

私の及び腰の姿勢に怒りも飛んだのか、戸惑いながらも頷いている。
よし、これで良いだろう。

「今回の試験、思ったよりもずっと複雑で難解な試験と言えそうね。」

鈴音さんの何処か他人事な一言が、今後の嵐のような怒涛の展開を指し示すように風に舞った。
一旦話し合いを切り上げて、早速森の中に足を踏み入れる。
3馬鹿は別行動だ、キャンプ地とスポットの探索に出掛けている。

ちょっと怖いくらい。→←正しい意見でも。



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沙羅(プロフ) - 橋本ー!!!!ありがとうございます!この小説に橋本と龍園が出てくるだけで最高にテンション上がります!これからも応援してます! (3月27日 1時) (レス) @page22 id: e669b9fbcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年3月18日 18時

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