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親善大使に。 ページ24

〈ごめん、聞こえちゃった?丁度、お風呂入ってて。今終わったところだから、大丈夫。驚いちゃった、まさかAちゃんから電話がかかってくるなんて。〉
『あは…中々機会が無くてね。』

ということは、今の音はドライヤーか。
風呂上がりの桔梗さんを想像しているらしい清隆の後頭部をチョップしつつ、電話をかけない理由を絞り出す。
用も無いのに、駒になんて話しかけたりしないって。

『それより、良い知らせよ桔梗さん。貴女は素晴らしいことに、親善大使に選ばれたの。クラスのために、尽力してもらえないかな。』
〈えぇっと…?〉

事情が飲み込めていないらしい桔梗さんに、一通りの説明をする。
無理強いしないと言ってはみたが、正直ここで断られると後々がきついので、下手に出続ける。
桔梗さんは、二つ返事で引き受けた。

〈あっ、でも1つだけお願い聞いてくれる?〉
『ん?』
〈その勉強会に、私も参加させてほしいの。〉
『…そんなことで良いの?』
〈うん!私もさ、皆と一緒に勉強したいし。〉

次いで、桔梗さんは清隆にも自分の電話番号を教えておいてくれと言ってきた。
気軽に連絡して、と甘い声で続ける桔梗さんにやっぱり嫉妬心を燻られつつも、快くしっかりと返事をしておく。
またしても清隆の良さが、他の人に知れ渡っていくなぁ…
言われた番号を自分の端末に保存する清隆にモヤッとしながらもそのままでいると、早速私と清隆の端末双方に同じ人物からチャットが飛んできた。
誰であろう、桔梗さんである。
チャットには同じ文面で、山内君と池君から了承の返事を受け取ったと記されていた。
仕事が早い、助かる。
というか、私との対応の差に少しだけ傷つく。
桔梗さんの愛嬌とスタイルの良さが、やはり影響しているのだろうか。
清隆の交渉役として隣に居るけれど、このままではその立場も危うい。
清隆が鈴音さんに、桔梗さんも勉強会に参加するという旨を伝えるメールを送った直後、その鈴音さんから電話がかかってきた。

「も」
〈嫌。〉

何この短い電話。
あまりにも一瞬でブチ切られた電話から聞こえる不通音が、耳元を擽っていく。
めげない清隆が、もう一度かけ直す。

「話だけでも聞い」

ブツッと言う無機質で無慈悲な音に、とうとう声すら発してくれなくなったかと清隆が頭を搔いた。

『鈴音さん、妙に桔梗さんを警戒してるよね。』
「この前、強硬手段で交流させようとしたからな。」
『それって寧ろ、警戒してるのは私達なんじゃ。』

見捨てたくない。→←もうちょっと好感触でも。



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れい(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください (2月18日 12時) (レス) @page24 id: 774cbd6690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年2月6日 18時

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