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もうちょっと好感触でも。 ページ23

言いたいことだけ一方的に言って、鈴音さんは居なくなってしまった。
断る隙間すら与えてくれない、交渉術としては長けているんだか劣っているんだか。

『引き受けてしまったからには、やる他無い…よね。』
「だよな。」

放課後、清隆と2人でメモ用紙を眺める。
気乗りはしないが、やらないわけにもいかないので取り敢えず行動に移した。
勿論、全員に断られてしまったのだけれど。

「やっぱり無理か。」
『う〜ん、もうちょっと好感触でも良かったような気がするんだけどなぁ…』

池君と山内君は、私が小首を傾げて頼み込んだら少しだけ揺らいでいたようだったけれど、清隆が出した鈴音さんの名を聞いて嫌になってしまったようだ。
須藤君に関しては、清隆の胸倉を掴んで喧嘩まで吹っ掛けてくる始末である。
やめたい、切実にやめたい。
何で私達がこんなことをしなくちゃいけないのか、鈴音さんがやれば一番効率が良いのに。
清隆が、腕の中に収まる私の髪を梳きながら言う。

「連中ときちんと友達をやっている、誰かに協力してもらわないと。」
『悪ふざけ友達、みたいな?』
「いや、それだとかえって逆効果かもしれない。程良く素行が良くて、奴らとも良い関係を築いているといえば…」
『平田君…駄目だ、人気者に声をかけられたら寧ろ自分と比べて余計意固地になりそう。』
「人気者…あ、あいつなら。」
『あいつ?』

清隆が、私を抱えて転がっていたベッドから身を起こす。
つられて起き上がると、清隆が端末を見た。
時間を確認しているらしい。
イマイチ清隆の言っていることが理解出来ない私に、清隆がヒントを与えてくれる。

「うちのクラスでどんな人間とも良い関係を保つ、素行の良い生徒と言えば?」
『そんな急になぞなぞを出されても…』

品行方正、且つ池君達素行不良組とも縁を持つ生徒…か。
………あ、分かった。

『桔梗さん?』
「そうだ。今の時間なら、連絡してもまだ迷惑にはならないだろう。A、櫛田の連絡先は持ってるか?」
『持ってるよ、任せて。』
「助かる。」

桔梗さんから半ば無理矢理登録させられた番号に、早速電話をかけてみる。
ちゃんと登録しておいて良かった。
スピーカーモードにして、端末をベッドの上に置く。
電話は、すぐに繋がった。

〈もしも〜し!〉
『もしも…あれ、何この音。』

桔梗さんの軽やかな声に混じって、何やら大きな音が響いている。
工事音のようだが、私の名を呼んだ直後に音が止まった。

親善大使に。→←汚ぇ…。



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れい(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください (2月18日 12時) (レス) @page24 id: 774cbd6690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年2月6日 18時

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