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解決しなければならないこと。 ページ15

「…そんなことがあったのか。」
『そう。清隆には、まだ話してなかったけれどね。まだ憶測の域を出ないけれど、帆波さんも結構使えるんじゃないかなって思う。』

品行方正を地で行くタイプの優等生だ、周辺クラスの情報もきっと彼女が居れば更に手広くこちらに入る。
信用を得て交友関係を持続させておけば、今後において役に立つだろう。
流石、Bクラスに所属されるだけある。
うちのクラスとは大違い、一体同じ人間なのに何故こうも違うのか甚だ疑問だ。

『そっちのパイプ作りは、任せておいて。』
「あぁ、任せた。」

その一言で、清隆に頼りにされているのだと実感する。
満たされるとはこういう気持ちなのだなぁとしみじみ感じながら、大して減っていない端末の数字を見る。
ぬるくなりかけているお茶を啜りつつ、清隆の胸に寄りかかった。

『目下、取り敢えず解決しなければならないことは…』
「俺達のクラスのこと、だな。」
『そうね。クラスの人達は、深く考えずにポイントを使い込んでいるようだし。』
「やはりか。授業中も教師は放任主義で、私語や居眠りや遅刻・欠席が日常茶飯事だもんな。」
『散財と放蕩、怠惰ばっか。鈴音さんも言っていたけど、ここって本当に政府が力を注いで作った学校なのかな。』
「そうだからこそ、俺達は違和感を拭えずに居るんだろ。単なる上辺だけの学校であれば、そもそもあそこまで高度なシステムは用意しないだろうし、何より学外との通信手段を断つ理由が無い。」
『親族に助けを乞うことを許さず、全て自分の実力でのみ事を解決させろ。それが出来ないのであれば、この学園には居られない…ってところか。』

実力至上主義。
本当に、寒気がする程冷めたい学園だ。
でも、きっと現実社会ってこれと大差無い。
自分の実力で物事を解決させたり、上手い方向に持っていったりしなければならない。
誰も周りは手を貸してくれない。
貸してくれても、そこには必ず『計算』が存在する。
それらに翻弄され巻き込まれたくなれけば、自分自身という最も裏切らない強固で絶対的存在を作るしか無いのだ。
そうでもしなければ、生き残れない。
そんなこと、少し大人の世界を知っていれば誰だってすぐ分かることなのに。
高校生の時から予行演習をさせてくれるだけでも、随分親切なのだろう。
端末に表示される、8万と少しのポイントを睨みつける。
そちらが私達を試すのなら、私達はそれを超えてやろう。


『最高傑作』と『次世代兵器』を、甘く見るなよ。

---SIDE 綾小路→←Bクラスの。



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れい(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください (2月18日 12時) (レス) @page24 id: 774cbd6690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年2月6日 18時

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