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時間の無駄。 ページ12

「堀北さん!私と友達になってください!!」

おぉ、ド直球。
見る人が見たら一発で惚れそうな可愛らしい顔立ちを最大限利用し、桔梗さんがずいずいと鈴音さんに迫る。
だが、鈴音さんの瞳は冷たいままだった。

「私のことは放っておいて欲しいの、クラスにも迷惑はかけないわ。」

ずっと一人ぼっちは寂しいよ、と目を潤ませる桔梗さんを見ても、鈴音さんは変わらないようだ。
そもそも貴女の1度目のゴリ押しが効かないのなら、何度試しても無駄なのではないか。
とは思ったけれど、無粋な口出しはかえって逆効果なので口は閉じておく。

「私は一人を寂しいと思ったことは無いわ。時間の無駄ね、貴女の発言全てが不愉快よ。」

言いたいことをこれでもかと言うくらい刺々しく言い切った鈴音さんが、さっさとこの場を去ろうとした。
そこまで言い切るってことは、恐らく桔梗さんみたいな人種が元々嫌いなのだろう。
そりゃあ私とて、嫌いな人間と1秒だって会話したくない気持ちは分かる。
だかここで感情に任せて行動するのは、鈴音さんの今後に響くのではないか。
目の前で見ていた以上無視することも出来ず、私はもう一度口を開いた。

『鈴音さん、本当に良いの?このまま誰とも仲良くならないってことは、3年間ぼっちってことになるけど。』

ぼっちってことは、つまり何処からも情報が入ってこないってことだ。
それは、情報がものを言う戦いになった場合にこれ以上無い程不利である。
貴女には、まだ使える駒で居てもらわないと困る。
退学になんてさせられない、清隆のためにも。
そう暗に伝えたつもりだが、残念なことに伝わらなかったらしい。
こちらを見ようともせず、彼女は吐き捨てた。

「9年間続けているから、平気よ。幼稚園も含めれば、もっとね。」

長いな、シンプルに長いよ。
自動ドアをくぐり抜けた鈴音さんが、扉の前で所在なさげに立っていた清隆を見つけた。
こんなこともあろうかと、外で清隆にも待っていてもらっていたのだ。
だが鈴音さんは、何か話しかけている清隆を無いもののように無視して通り過ぎていってしまった。
これは、思ったより面倒な性格をしている。
外の清隆に、申し訳無いと手を合わせて拝んでおく。
彼は、仕方が無いと言う風に首を横に振った。
桔梗さんに、私のせいで嫌われちゃったねと言われたが、安心してほしい。
貴女の行動1つで左右されるような関係性は元より築いていないし、たとえ親密であったなら貴女を仲介させるようなことは無いから。

急に頭悪くなった。→←そこは『どういう意味?』が正解。



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れい(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください (2月18日 12時) (レス) @page24 id: 774cbd6690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年2月6日 18時

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