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遠く感じるけど、おそらく枕元で携帯が震えている。
連絡を待ってる間、どうやら寝ていたみたいだ。
枕元の携帯を見れば、時刻は23:40。
あと20分で純喜くんの誕生日が終わってしまう。
通知の正体は紛れもなく純喜くんだった。
「今帰ってるからもうちょいで着く！！」
と一緒に焦っているクマのスタンプが送られてきていた。
了解の意味を込めて同じクマのスタンプで返して
体を起こして身なりを整え直す。
しばらくして到着の連絡が来て、
プレゼントを持って公園に向かった。
小さい公園のブランコに座って携帯をいじっていると
目の前に感じる人影。
携帯から顔を上げれば、純喜くんだ。
「待たせてほんまごめん！」
眉毛をへの字に曲げて肩で息をする彼。
「全然大丈夫、わたしが無理いったし！」
そう答えるとほんまに？と安堵の顔を浮かべて
私の隣のブランコに座った。
「んで、渡したいものってなんなん？？」
少し期待したような、キラキラの目でこちらを見つめる。
「純喜くん、誕生日だからこれ、
プレゼント、、喜んでくれるかわかんないけど、」
少し緊張して恐る恐る渡す。
「わざわざ用意してくれたん？！
Aちゃんがくれる物ならなんでも嬉しい！」
子供のような純粋な笑顔で笑う。
「ちょっと期待してたでしょ？純喜くん笑」
喜んでくれたことが嬉しくて
いつの間にか緊張も解けていて彼を揶揄う。
「なっ、全然そんなんちゃうし！
ちょっとだけそうならええなと思ってただけや！」
とバレバレの様子で否定する純喜くん。
「はいはい、そうだね笑」
「適当やなほんま笑
これ、早速開けてもええ？？」
「もう純喜くんのだからお好きなように笑」
そういえば手早く包装を解いて中身を取り出す。
「え！！めっちゃかわいいやん！！！
やっぱAちゃんセンスあるな〜」
満面の笑みで洋服を当てて喜んでくれた。
「喜んでくれてありがと、、笑」
その様子が嬉しくて、なんだか照れ臭くて。
「なんやその反応、可愛すぎやろ笑
でもほんまにありがとう！たくさん着る！」
可愛い、言われなれない言葉。
ただでさえ少し気恥ずかしいところに
追い打ちをかけられて私の顔は真っ赤だと思う。
夜の公園で暗くてよかった。
「Aちゃんの誕生日は何がええかな〜」
と呑気に呟く彼を横目に
顔の火照りを冷ましていた。
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作者名：てんぷらまんじゅう | 作成日時：2022年2月27日 12時
