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純喜くんが片付けを終わらせてくれて、
時計を見るともうすぐ日付を越えそうな時間帯。
「そろそろ、帰ろかな、明日仕事やし」
そういって純喜くんが立ち上がる。
「本当、今日は何から何までありがとう、、
ご飯の片付けまでしてもらっちゃって、笑」
玄関まで来て、彼に1日のお礼を伝える。
「だーかーらー、気にせんでええって言うたやろ？笑
俺がやりたくてやってるんやから笑
Aちゃん、元気になってよかったわ笑」
太陽みたいな笑顔で笑って私の頭にぽん、と手を置く。
そんな風に優しくされてしまったら
勘違いしてしまいそうになる。
「ほんと純喜くん、距離感バグりすぎ、笑
私だからいいものの、他の子にやったら
勘違いされて、純喜くんが困るよ、笑」
他の子、なんて言ったけど、
勘違いしてしまいそうな自分への戒めを込めて
冗談ぽく、さりげなく言う。
「別に、、、いや、なんでもない、
今日はごちそうさま！またな！」
純喜くんが何かを言いかけてやめて、
いつもの笑顔に戻り、手を振って帰っていった。
子供っぽくはしゃぐ顔、優しく私に話しかける顔、
犬みたいに人懐っこい顔、真剣に話す顔。
今日一日を思い返すと自然と笑顔になっている。
純喜くんがドライブに連れてってくれてよかった。
昨日のことなんて1日考える時間はほぼなかった。
彼は人を元気にさせる天才かもしれない、と
今日撮った海の写真をホーム画面に設定した。
〜♪
着信音と共に鳴る携帯。
表示された名前は、悠。
『連絡遅くなった、昨日はごめん、無事に帰れた？？』
全然無事じゃないし、飲みすぎたし、
てかほんとに謝るつもりならすぐ連絡するでしょ
と毒づきながら
「全然平気、彼女さんと無事合流できた？？笑」
少し嫌味っぽく、でも気にしてないよ〜みたいに返す。
それでも自分の器の小ささと、
返信しなくてもいいのに返信してしまう不甲斐なさに
また昨日と同じようなモヤモヤした気持ちになった。
『また昨日みたいに会えるよね？？』
「仕事が休みだったらね」
なぜかもう無理、会えないが言えない自分に
また嫌気がさして、携帯をソファに投げる。
悠に対するこの気持ちは恋か、恋じゃないのか。
恋じゃないとしたらなんなんだろう。
ベッドで考えているうちに、そのまま意識を手放した。
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作者名：てんぷらまんじゅう | 作成日時：2022年2月27日 12時
