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「「ごちそうさまでした！」」
2人で手を合わせた後、食後の休憩タイム。
テーブルに向かい合ってるわけじゃなく、
ソファ側に純喜くん、その隣り合ってる角に私。
2人で携帯を見ながら、喋ったり喋らなかったり。
その時間がやけに心地いい。
「純喜くん、これめちゃいい写真撮れてた！」
今日の海で撮った彼の写真を見せる。
彼が覗き込むようにスマホを見て
「めっちゃいいやんこれ！！天才やな！」
と言いながら急に顔を上げる。
私も彼も覗き込む形でスマホを見ていたので、
意図せずかなりの近距離で顔と顔が近くて。
その距離、約5cm。
純喜くんの奥二重がはっきり視界に入る。
「「え、あっ、ごめん！！！！」」
お互いにパッと離れて距離を取る。
火が出るくらいに自分の顔が熱くなってるのを感じる。
恐る恐る純喜くんの方を見れば彼も耳まで真っ赤だった。
「ほんまごめん、、めっちゃ近かったな、」
と普段の彼からは想像できないくらいの
消え入るような声で呟いた。
「いや、全然、私こそごめん、なんか、」
「俺は、別に、嫌とかそういうのちゃうけど、な、
そろそろ、お皿片付けよか、」
空気を変えるように空のお皿をもって立ち上がる純喜くん。
「私、片付けもするよ！！」
彼のあとを追ってキッチンに向かうと
このくらいさせて、とリビングに追い返されてしまった。
流し台で片付けをする彼を眺めながら
さっきのことを思い出す。
俺は嫌じゃないって、、、？
その言葉と赤くなった彼の態度。
それって、好きって言ってるみたいな、
彼がもし、私のこと好きだったら、、？
そう考えると、嬉しい気持ち半分、悲しい気持ち半分。
たしかに私も彼に惹かれていて。
彼がもしアイドルじゃなかったら、付き合いたかった。
今度するなら、私も相手も幸せになれる恋愛がしたい。
自分のことを好きでいてくれる人がいいから。
色々考えてたら彼が視線に気づいて
「そんな見られたら体に穴があきそうやな笑」
優しい顔でそう笑った。
「ごめんごめん、ぼーっとしてた。笑」
考えてることを悟られたくなくて、
適当にかわして答える。
「なんやそれ笑」
と手を動かしながら彼が笑っていた。
あれは私の勘違いで、
私のこと、友達だと思ってくれていますように、
彼の後ろ姿にそう願った。
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作者名：てんぷらまんじゅう | 作成日時：2022年2月27日 12時
