24・じーっ ページ28
「本当に、それだけ？」
さらに念押しする。
彼はちらりとこちらを見ると、はぁ、とため息をついた。
「……もうなんか察してるみたいだな。」
観念するかのように、彼はくしゃりと髪をかきあげる。
「…あろまさんが気になってる事がハッキリ分かるわけじゃないけど…。若干不振な行動が目についてたからね。お風呂上がりとか髪を束ねてる時とかにあれだけ見られたら、誰だって気になるよ。」
「あろま…変態じゃん…。うなじ萌えかよ…。」
「そうじゃないんだって！きっくんは話がややこしくなるからちょっと黙れや！……てか全部ばれてたとか…はずかしすぎるだろ…。」
「変態なんですか？」
「変態じゃない！敬語をやめてくれ！ジロジロ見たのは謝るから！！ちょっと説明させて？！」
テーブルの上のもふもふ達も、あろまさんからじりじりと距離を置きつつ疑惑の視線をおくっている。
ひそひそ何かを話し合ってる様子を見ると、彼らの中であろまさんの株は大暴落しているようだ。
「もう正直に言っちゃうとだな…。
Aがダークマター団の一員じゃないかって、少しだけ疑ってたんだよ。」
バツが悪そうにこちらを見るあろまさんだったが、当の私はあまりピンと来ていなかった。
「ダークなんとか団って何っだったっけ？」
「俺らを小動物化したやつらの団体名だな。」
「そういえばそんな名前だったような気がする。」
うん、と頷いた私を見て、あろまさんは言葉を続ける。
「俺らを人に戻したり、小動物化したりする能力がお前には備わってるみたいだからな。恩人を疑うっていうのは、俺も自分でどうかと思うが……Aがダークマター団と関係があるやつかもしれない、って考えに至るのは結構自然なことだと思う。
んで、ダークマター団に属してる奴らは必ず、首周りにこのマークがあんだよ。」
こんなやつだ、と言いながらあろまさんが紙にサラサラと数式らしきものを書く。
「E=mc^2…なんですかこれ。」
「俺もよくわからん。」
「あああ！これひげさんの首元に書いてあったやつだ！！」
きっくんが大きな声を上げるあたり、彼にもそのアルファベットの羅列に見覚えがあるのだろう。
「あ。」
ここでやっと合点がいく。
「じゃあうなじ萌えじゃなくて、私がめっちゃ疑われてただけだ！」
状況が掴めたのはいいけど、結構へこむなぁ…。
海に行こうっていうのも、水着になれば首元見れるもんね。確かめるのにはもってこいなわけである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 728人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ea - 早く、続きが見たいです！。 (2018年5月20日 21時) (
レス) id: 2c6262ea33 (このIDを非表示/違反報告)
飼育員B(プロフ) - コメント失礼します。いつもこの小説に癒しをもらっています。先生が好きなので、般若くんが人間に戻る時にニヤニヤさせてもらいました。← これからも、更新頑張ってください。 (2015年9月13日 17時) (レス) id: a1d9ad5f25 (このIDを非表示/違反報告)
猫苺(プロフ) - 26話で見たい動画を見たい時のアピールの仕方 ミドリくん・黒くん・般若くん（手でペチペチ） アルパカくん（頭でゴスゴスゴス！）こんな感じなんでしょうね（笑） (2015年9月13日 15時) (レス) id: c342f71c4d (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - コメント失礼します…えっとすごく場違いな気しかしません(すごい作者さんばかりで)でもとにかくぶろっちょの必死なところとか可愛いなって思ったりして読ませてもらってます！ (2015年9月13日 0時) (レス) id: c7e9f97efd (このIDを非表示/違反報告)
餡子らーめん(プロフ) - 弥燗邪夢@まふ君依存症。さん» 応援コメントありがとうございます♪ そうなんです。ぶろっちょの見せ場がどうしても多くなってしまうんです笑 ふぶくんの株がこれで上がるなら私は喜びます← 応援とっても励みになります！最後まで書ききれるように頑張っていきますね♪ (2015年9月8日 23時) (レス) id: b3e1ed8c43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：餡子らーめん | 作成日時：2015年4月30日 22時
