箸休めその1 ページ17
◆ココア◆
もふもふ達が眠ろうとしている頃に、一人でパソコンに向き合う私。
「Aちゃんいつもお疲れ様〜。」
机に向かって課題を片付けていると、後ろからきっくんの声が聞こえた。
「ん〜、ありがときっくん。」
伸びをしながら答えると、こと、という音とともに甘い香りが漂ってくる。
「ココアよかったら飲む?一息つこうぜ〜。」
「やったー!あたし甘いもの大好きなんだよね。」
最近はきっくんが完全に主夫と化しているために、家で飲んだり食べたりできるものの幅が一気に広がって嬉しい。
その費用もきっくんのポケットマネーから出ているので申し訳ないのだが、頑としてお金を受け取ってくれないので、しょうがなくおごってもらい続けている。うむむ。
「あ、せっかくだから友達にお土産でもらったクッキーも一緒に食べよう。」
「いいねぇ。俺も一枚だけもらおうかな。」
席を立ち、きっくんと一緒に台所の棚を漁っていると、机の方でなんだか物音がしているのに気づく。その音を無視して、さがさやっていたのだけれど、突如、ぼちゃん、という音がした気がして、ばっと振り向く。するとそこには、机の上で何やら慌てている小鬼くんと黒い子がいた。
「今のなんの音だ?」
きっくんが訝しげにつぶやく。
「あろーーー!!」
「・・・・!!!」
「もしかして・・・・。」
そういいながら、きっくんがおそるおそるコップの中を覗き込む。
私もそれに倣って、ココアのコップを覗こうとしたその時に、茶色いモップがカップのふちからにゅっと顔をのぞかせた。
「でたーーー!!!」
そう、それはまごうことなきココアのお化け・・・・!!
「てゅふんっ・・。」
ではなく、決まり悪そうにしている、ミドリくんだった。
「だっ・・大丈夫!?ミドリくんがココアまみれに!?」
「ぬるめにしといたからやけどはしてないとは思うけど・・。FB食い意地張りすぎだろ。」
心配するあたしをよそに、きっくんはツボに入ったらしくひーひーいいながら笑っている。
「飲もうとしたのかなぁ・・。今度からミドリくん達用のカップも買わなきゃだね。」
ココアでしっとりしているミドリくんを指で引っ張りあげながら、課題をしまっておいてよかったと心底思ったのだった。
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ea - 早く、続きが見たいです!。 (2018年5月20日 21時) (レス) id: 2c6262ea33 (このIDを非表示/違反報告)
飼育員B(プロフ) - コメント失礼します。いつもこの小説に癒しをもらっています。先生が好きなので、般若くんが人間に戻る時にニヤニヤさせてもらいました。← これからも、更新頑張ってください。 (2015年9月13日 17時) (レス) id: a1d9ad5f25 (このIDを非表示/違反報告)
猫苺(プロフ) - 26話で見たい動画を見たい時のアピールの仕方 ミドリくん・黒くん・般若くん(手でペチペチ) アルパカくん(頭でゴスゴスゴス!)こんな感じなんでしょうね(笑) (2015年9月13日 15時) (レス) id: c342f71c4d (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - コメント失礼します…えっとすごく場違いな気しかしません(すごい作者さんばかりで)でもとにかくぶろっちょの必死なところとか可愛いなって思ったりして読ませてもらってます! (2015年9月13日 0時) (レス) id: c7e9f97efd (このIDを非表示/違反報告)
餡子らーめん(プロフ) - 弥燗邪夢@まふ君依存症。さん» 応援コメントありがとうございます♪ そうなんです。ぶろっちょの見せ場がどうしても多くなってしまうんです笑 ふぶくんの株がこれで上がるなら私は喜びます← 応援とっても励みになります!最後まで書ききれるように頑張っていきますね♪ (2015年9月8日 23時) (レス) id: b3e1ed8c43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:餡子らーめん | 作成日時:2015年4月30日 22時