小学生時代 （８９） 心操side ページ47
行ってらっしゃいと先生に言われて全力でブレーキをかける浩一郎を、琉斗と雅人が強制連行する。
「もうこれはただ単にＢＧＭが怖いね。恐怖を煽るためとは言え、いくら何でもお経を読む声が恐ろしすぎる」
琉斗は冷静に分析して浩一郎の恐怖を和らげようとしていた。
「神社なのにお経を読んでいいのか？」
和貴も場違いの疑問を投げかけた。
「まあ、日本は緩いからな。大丈夫だろ」
雅人もはぐれないようしっかり浩一郎の腕をつかみ、わざわざそれに返す。
時折悲鳴のような、うめき声のような声が入り、そのたびにさすがの俺たちも背筋を凍らせた。
それは決して浩一郎に悟られないようにしなければならない。
奴にとって、平然としている俺たちが怖がり出したら、それはもうこの世の終わりを意味するからだ。
「お、着いた！」
「ほら、参拝していこうぜ」
「何をお願いしようかな」
「さっさとしてくれよ！」
俺は真剣に祈る。
この思いがどうか伝わりますように。
この恋が成就しますように。
.
Aさんを守れるような強いヒーローになれますように･･････。
「ほらとっとと帰るよ！」
「分かったって、浩一郎はなんか願い事しないの？」
「それどころじゃないんだよ！」
俺たちは浩一郎に引っ張られるようにして、全力でその場から逃げ出した。
神社に近づくにつれてお経の声に時々、助けて、と言う声が混じりまじりはじめたときには、俺たちもさすがに恐れをなした。
「はあっ、着いた！」
「先生、全員無事です！」
「野田浩一郎、斉藤琉斗、田辺和貴、山口雅人、心操人使、全員居ます」
「はい、お疲れさま。どう、怖かった？」
「もう怖すぎですよ！何で途中からＢＧＭに助けてって入れたんですか！」
「そんな声が入っていたんですか？私がＣＤを選んだ訳ではないから分かりませんが、凝った物を選んだ先生がいたんですね」
三組の担任である年輩女性教師はゆったりとした口調でそう言った。
「おいおいおい、まさか本物のゆーれーじゃあないでじょうね？！」
「そんなこと言うなよ琉斗！」
「本物･･････だったら怖いことですね」
「ぎゃあああ！僕もう今日一人でトイレに行けない！」
「･･････とりあえず部屋に戻ろうか。後ろつっかえてる」
そう言う俺も実は少し怖かった。
.
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まや - このふたりはよくっつけやぁぁあぁ！！！ (2020年11月3日 10時) (
レス) id: 5170473165 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます、励みになります……！頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年4月3日 19時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あ、しゅきです…←更新頑張ってください！ (2020年4月3日 14時) (レス) id: 87b2e18e78 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - 鳳＊さん» 小学生にそこまでの知識はないと思ったため、二本とさせていただきました。紛らわしくてすみません。ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月2日 10時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - (豆知識＊キリンの角は5本。) (2020年4月2日 10時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CaoCao | 作成日時：2020年1月1日 14時
