小学生時代 （７８） 心操side ページ36
全員降りてトイレ休憩をすませ、再びバスに乗りこむ。
班長である俺たちは班員が全員居ることを確認して先生に伝えた。
出発してしばらくたつと、再びレク係がマイクを持って喋り出した。
「えー、ではこれからはご自由にお過ごしください。我々レク係がアンケートをもとに独断と偏見で選出した曲をBGMとして流します」
皆も歓声を上げて賛同し、流行りの曲が流れ始める。
「やった！私は最近の曲に詳しくないから皆がどんなのを聞いているのか知りたかったんだ」
Aさんも嬉しそうにしていた。
「好きな曲とか、あるの？」
「うーん、あるけどあまり有名じゃないな。私は歌うことが好きだから歌いやすくて綺麗な曲を聴くことが多いよ。心操くんは？」
「Aさんの歌声、いつか聞いてみたい。･･････俺は･･････サイクリングが好きだからテンポが早いポップスを聴くよ。たまに家でゆったりとした曲を聴くこともあるけど」
「歌うのは好きなだけで上手くはないの！心操くんの歌声も聞いてみたい、絶対心が安らかになれるよ」
上手いかどうかは問題ではなく、俺は君の歌声が聞きたいんだ。
「良いよ。でも俺も上手ではないから期待しないで。･･････なんか知っている曲が流れたら歌ってくれよ」
「うへー、恥ずかしいな。頑張るね」
そのあとはトランプでジジ抜きをしながらバスに揺られていた。ジジ抜きなら二人でもできる。
「あー、今回のジジはスペードの７かー･･････どうして私ってこんなにカードゲーム弱いんだろう」
「今君七連敗中だよ。俺だって強い訳じゃないし、これは運の問題だよ、きっと」
彼女は不思議なほどにジジを引き当てた。
七回も連続で負け続けているから、これはもう逆にすごいのではないかとさえ思う。
「くやしい。もうこうなったら奥の手。スピードやろう」
「スピードは台がないとできないよ」
「ぐぬぬ、確かに･･････」
悔しがっている様子が可愛い。
穏やかな幸せ。これくらいなら俺も先ほどまでよりは落ち着いていられる。
とにかく今朝バスに乗ってしばらくの間は、本当に供給過多でおかしくなりそうだった。
おかげで今もまだ、落ち着いたとはいえだいぶふわふわした気分で、会話の半分くらい上の空だ。
.
小学生時代 （７９） 心操side→←小学生時代 （７７） 心操side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まや - このふたりはよくっつけやぁぁあぁ！！！ (2020年11月3日 10時) (
レス) id: 5170473165 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます、励みになります……！頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年4月3日 19時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あ、しゅきです…←更新頑張ってください！ (2020年4月3日 14時) (レス) id: 87b2e18e78 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - 鳳＊さん» 小学生にそこまでの知識はないと思ったため、二本とさせていただきました。紛らわしくてすみません。ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月2日 10時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - (豆知識＊キリンの角は5本。) (2020年4月2日 10時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CaoCao | 作成日時：2020年1月1日 14時
