小学生時代 （６５） 颯太side ページ23
颯太side
─────────
俺はずっと前、もう保育園のころからAが好きだった。
俺の“個性”は予知……のようなもの。
手で触れて、目を合わせた相手と自分の未来の関係性が分かる。
そんなに正確なものではないし、見通せる期間は相手への思いの強さと、その後の関わりの深さに左右される。
俺はだから知っていた。Aの運命の人は俺じゃない。
Aを幸せにすんのは俺じゃない。
じゃあ誰が、という所までは俺の予知の精度では分からなかったが、心操と友達になったとき、直感で何となく、ああこいつかもなと思った。
俺が心操を揺るぎな郁い態度で応援できるようになったのは、あいつとAが仲良くなってから。
悔しいが、とてもしっくりきた。
これも直感だが。
俺は親の都合で転校しなくてはいけないから、今日この終業式が終わったら、もうしばらくは心操にも、Aにも会えない。
そのことを何となく嫌な予感がして心操に伝えたのに、結局俺はAと心操を最後まで応援できなかった。
それどころかAは涼たちと仲違いして、その一件に負い目を感じているらしい心操の奴はAを避けている。
こんなことになるなんて。
仕方ない、俺の“個性”では自分と相手の関係しか分からない。
他人と他人のことまでは見れない。
こんな状態のまま彼らのもとを離れなくてはいけないことがとてつもなく悔しくて、心苦しかった。
それでも。
俺はけじめをつけると決めていた。
Aに思いは伝える。
この思いは諦めない。
ずっと一一生抱えて生きていくよ。
きっとお前は俺のことをフったりしない。
そもそも伝わらないだろうから。
いつもは優秀で賢いのにへんなところでバカだから、ありがとう私も大好き、ずっと友達だよ、とか何とか言うんだろう。
それでも、伝えると決めた。
小学生時代 （６６） 颯太side→←小学生時代 （６４） 心操side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まや - このふたりはよくっつけやぁぁあぁ！！！ (2020年11月3日 10時) (
レス) id: 5170473165 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます、励みになります……！頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年4月3日 19時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あ、しゅきです…←更新頑張ってください！ (2020年4月3日 14時) (レス) id: 87b2e18e78 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - 鳳＊さん» 小学生にそこまでの知識はないと思ったため、二本とさせていただきました。紛らわしくてすみません。ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月2日 10時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - (豆知識＊キリンの角は5本。) (2020年4月2日 10時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CaoCao | 作成日時：2020年1月1日 14時
