小学生時代 （６１） 心操side ページ19
「……Aさん、ごめん」
彼女は俺の方を振り向いて、目を丸くした。
必死にこらえていた涙がポロポロとこぼれ落ちる。
そんな姿も、愛おしい。
「なんで、私の所為だよ。心操くんはどうしてそんなに……」
優しいの……？
彼女の疑問に、俺は答えられなかった。
俺が、優しい。
多分そんなことを言ってくれるのは君くらいだよ。
遊ぶ予定なんか無かったのに、俺たちはみどり公園に行った。
俺はAさんの手を引いて走り、誰も知り合いがいないことを確認してなるべく人目につかないベンチに座る。
彼女が泣き止むまで、ずっと隣に座っていた。
俺にはそれくらいしかできない。
俺はAさんが好きだ。
誰より幸せであってほしい。
.
.
だからもう、君には触れられない。
「……心操くんごめん。心操くんはこんなに優しいのに疑うなんて、許せなかった。私が余計なことを言ったから……」
その優しさに、俺はどう答えればいいのだろう。
君が気を遣うことはないのに。
君のせいじゃないのに。
「……ヴィランってのは、よく言われるから。気にしないで。
……それに優しいのは、Aさんだよ。
君は、優しすぎる」
優しすぎるから、俺はどんどん勘違いして、夢を見る。
でもそれが夢と分かっていてもなお、俺は君を諦められないんだ。
気づけばこんなに好きになっていた。
「私、あのね。……うまく言えないのだけど、すごく心操くんに憧れているの」
「は？」
いきなりの彼女の言葉に、俺は間の抜けた返事しかできない。
「ヴィラン向き、何て言われても、“個性”をちゃんと操って人のために正しく使いたいって心から思ってる心操くんのこと、尊敬してる。
……すごいなって思っていたの。
心操くんなら、素敵なヒーローになれるよ」
嬉しいを通り越して驚いた。
俺はしばらくポカンとする。
「どうして、それを?」
俺はずっと前から密かに、でも強く、ヒーローに憧れていた。
なりたいと心から願った。
しかしそれを他人に言ったことはない。颯太にだって伝えたことはない。
その疑問の答えを、聞くまでもなく教えてくれた。
.
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まや - このふたりはよくっつけやぁぁあぁ！！！ (2020年11月3日 10時) (
レス) id: 5170473165 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます、励みになります……！頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年4月3日 19時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あ、しゅきです…←更新頑張ってください！ (2020年4月3日 14時) (レス) id: 87b2e18e78 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - 鳳＊さん» 小学生にそこまでの知識はないと思ったため、二本とさせていただきました。紛らわしくてすみません。ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月2日 10時) (レス) id: 213312345b (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - (豆知識＊キリンの角は5本。) (2020年4月2日 10時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CaoCao | 作成日時：2020年1月1日 14時
