小学生時代 （３５） 心操side ページ37
初日の夕方はレクリエーション。
クラスごとに分かれ、時間交代で三つの種目を楽しんだ。
一、二組が広い庭でドッヂボール、三組は裏山へ肝試し、四組は広間でトランプやUNOなどのカードゲーム。
四組である俺たちは大広間に行って班ごとにカードゲームを始めた。
しかし、そんなつまらない状況を涼が許すはずもなく。
彼はAさんの班からAさんだけを引っ張り出して、ちゃっかり隣に座らせている。
「おおい、せめて班員全部持ってこいよ、下心しかねえだろそれ」
さすがの涼も仲間にそう諭されては従うほかなかった。
明らかにおまけ扱いをされた女子たちは、怒りを通り越して飽きれている。
「よし、王様ゲームだ、俺王様！」
「おい、カードすら配ってねえのに何が王さまだよ、もはやお前下心の塊だな」
颯太も飽きれぎみに突っ込む。
ちょうどAさんの隣に座っていた颯太はついでに無言で俺の肩を叩いた。
.
「……何だよ」
.
「ほら、いいから俺と場所代われ。俺にはこいつらの目も当てらんねえいちゃつきっぷりは耐えらんねえから」
限りなく優しい、さりげない気遣いに、俺はもう颯太に足を向けて寝られないな、と思った。
.
「王様だーれだ」
「はーい私！じゃあ、うーん、Aと涼が抱き合う」
「は？おい、それもはやカードの意味ねえよ！名指しやめろ？な？夢がないなー、女子ってのは」
名指しされたのを良い事に、涼は本当に抱きしめようとにじり寄っている。
「きゃー！こっちがドキドキする！」
「や、やめてよもう、恥ずかしいってば！」
ぶんぶんと腕を振って奴が近づけないようにしていた。
それでもまだ近寄ってくるので、ついにAさんは俺の方に逃げてきた。
「し、心操くん助けて……」
.
「うん、おいで」
俺の背後にかくまい、そのまま座る場所を入れ替えてしまった。
「うぉい心操、Aを出せ！勝手に順番変えるなよ！」
「なあ、結局王様の指示はどうなったんだ？」
「あ」
王様ゲームはその後、先生の介入もあって、何とか平和に終わった。
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CaoCao(プロフ) - 自由なる田中さん» そうなんですよー！細かいところまで読んでいただきありがとうございます！こいつ、良いポジションですよね！！もはや心操くんより目立ってる泣。心操くんの見せ場はこれからです……！颯太を気に入ってくれてありがとうございます、嬉しいです！ (2020年1月1日 3時) (
レス) id: f33a8878e7 (このIDを非表示/違反報告)
自由なる田中(プロフ) - 颯太、立位置が最高すぎですね…好きです…… (2020年1月1日 2時) (レス) id: d81d0d0767 (このIDを非表示/違反報告)
宙ブラリン - すごくドキドキします！恋ってどれほど難しいものなのでしょうか。。。？（笑）友達の颯太くん、すごくいい人ですね！片思いの辛さって書くの難しいと思います。それをわかりやすく、かつ丁寧に書かれていてすごいと思いました！続き、楽しみにしています(*^▽^*) (2019年12月31日 22時) (レス) id: 15f9c254a1 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - ばりお。さん» ありがとうございます、励みになります！更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月29日 21時) (レス) id: f33a8878e7 (このIDを非表示/違反報告)
ばりお。(プロフ) - 文章の書き方好きです！！私も小説書いてて、心操くん出しました(笑)凄くタイプです。ちなみに夢主ちゃんが下の名前で呼んでるのは心操くんだけ。もっと絡ませたいけど……って感じです。CaoCaoさんの書く心操くんマジでカッコイイ！応援してます！ (2019年12月29日 20時) (レス) id: 1a062a0ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CaoCao | 作成日時：2019年12月25日 15時
