縁�� ページ16
店の娘、Aはきり丸達をにこやかに迎えている。先輩方ともすぐに打ち解けたようで、すぐに一緒に厨房へ下がっていった。
俺は大いに気分を害した。
「お、竹谷じゃないか。･･････女二人連れでこんな知り合いの多い店でよくも堂々としていられるな」
通り過ぎないどころかなじられる。俺が返答に窮しているとくノたま達は俺の窮地などお構いなしに発言していた。
「潮江先輩も一緒に食べましょう？そのあと海にも行くんですよ、来てくださいね」
ばか、何言っているんだ。
くノたま達の好き勝手な発言に肝を冷やしていると、幸い潮江先輩はそれほど興味を示していなかった。
「ああ、すまんが今は無理だ。竹谷も睨んでいるしな。それに、俺は好きな女以外とはあまり喋りたくない」
まるで当てつけるようにそう言い残して厨房に戻る。
俺だって別に好きでこいつらといるわけじゃない。だが好きな女が居るわけでもないのだから誰と居ようが俺の勝手じゃねえか。
そして、もう一つ気になることがあった。
あの口振りからすると潮江先輩には心に決めた女性が居るのだろうか。
「あなた、どうしたのぼうっとして」
「あ、ああすみません･･････」
厨房から聞こえる潮江先輩の声と、娘の声。
「おい、文次郎！このお茶をあいつらに持って行け」
「はあ？まあ良いけど」
あいつら、とは間違いなく俺たちのことだった。
「おい、早く行こうぜ。もう食い終わったろ」
「わかったよ、あ、潮江先輩！すみません八左ヱ門が急ぐみたいなのでもう行きますね」
「勝手にしろ、俺は興味がないといっただろう」
興味がない、とすると、じゃあいったい誰が好きなんだろう。潮江先輩の恋人なのだからきっと美しく強いんだろうな。
「あ、すみませんお勘定」
すると娘ではなくきり丸が目を銭にして出てきた。
「はーい！毎度あり！あ、竹谷先輩！またいらしてくださいねってAさん･･････いや、店のお姉さんが言ってました」
「えぇ？！あ、おう」
余りに不意にAの名前を聞いたものだから声が裏がえる。
もう来るな、とは言われなかった事に自分でも意外なほど安堵していた。まあ、もう来るなとはなかなか言えないだろうが、もう来て欲しくなかったらわざわざきり丸に伝言はさせないだろう。
つまり娘は今日のことをそれほど気にしていないということで、それは俺にはこの上なく好都合だった。
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黒い羊(プロフ) - ｜∇・) チラリ,,,。ヒロアカを書かれているのでしょうか,,,。寂しいですがまた更新お待ちしております,,,。 (2020年1月11日 14時) (
レス) id: 19d13466e3 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - 黒い羊さん» ありがとうございます、夜遅くまで読んでいただいて、本当にうれしいです！貴重なご意見本当にありがとうございます。参考にさせていただきます！私はもう寝ますね、お先失礼します。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: 75e3b6dff0 (このIDを非表示/違反報告)
黒い羊(プロフ) - 読ませていただきました！繊細な描写が人の気持ちの盛り上がりや情景が目に見えるようで勉強になりました！また来ます！ (2019年9月5日 23時) (レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
黒い羊(プロフ) - まだ読んでる途中ですが、すごくためになります！また勉強させてもらいに来ます！お邪魔しました！ (2019年9月5日 22時) (レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
CaoCao(プロフ) - はた美さん» ありがとうございます！そんなに褒めていただけるとは、うれしい限りです！これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 12時) (レス) id: 75e3b6dff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CaoCao | 作成日時：2019年4月30日 0時
