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story16 ページ20

『理鶯?

理鶯さん!私です!Aです!覚えてますか?』



あ?いまこいつなんつった?“私”?

いや、聞き間違いだな、…なんだほんとに。

今日疲れすぎじゃねぇか?俺。



理鶯「!Aか?Aなのか?」

理鶯の知り合いか。

どうやら久しぶりの再会みてぇだな。

なら理鶯。ソイツ、さっさと診て帰してくれ。今日は疲れてるん…





『あ、ごめんなさい、気づかなくて』





視界の中で黒い帽子が脱がされて、紫がかった銀髪の髪が露になる。

まるで雪が静かに積もるようにハラリ、とソイツの…彼女の肩に落ちた。

ストレートの胸まで伸びた髪が俺を掴んで離さなかった。



「…あ?」




銃兎は驚いてるみたいだが理鶯は瞬きもせずソイツの、Aの髪を撫でている。

…理鶯は知っていたってことかよ。

足の怪我なんかよりこっちに気づけよ。

いつもより深く煙草を吸う。

少しむせるぐらいに。

でも、どれだけ苦しくてもむせない。

絶対に。

…なんで面白くねぇんだろうな?




「お前、女だったのかよ?」


『すみません、騙すようなことして…』



ヘラヘラ笑うな、謝るな…なんだコレ。

イライラする…!


と、その時。理鶯がAを抱きしめた。



「…おいおい理鶯、俺様の事務所でやってくれるじゃねぇか」




このもどかしいような、可笑しいような気持ちを誤魔化すために俺は煙草をまた吸った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アイツを理鶯に送らせて、銃兎を追っ払った誰もいなくなった事務所の中で俺は1人ソファに横になった。

…変な奴だった。

最初はニコリともしないと思ったら事務所に連れていくと言った俺を隠しもせず態度に出して警戒して。

と思ったら俺の背中の中でなんの警戒もなく寝て。

面白い奴だほんとに。

それにしても綺麗だったな、アイツ。


Aか…、

長いまつ毛が目元に影を落として真っ白な肌に黒い洋服が映えていた。

まるで創られた人形みたいだった。

…っは、やめだ。くだらねぇ。

こんなことを必死に考えるなんざ俺様らしくねぇ。




ただ、笑った顔が少し合歓に似てたなぁ…なんてな。




そんな、バカみてぇにお前のことをぐるぐる考えてた夜がお前との始まりだった。

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作品ジャンル:アニメ
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hani-R - ぷにぷに左衛門さん» わぁ初コメントありがとうございます!そう言ってくださるとほんとに嬉しい…涙…!!これからブクロのメンバーやオオサカ、ナゴヤも登場して沢山愛される予定ですので是非読んでいただければ(笑顔) (2021年1月7日 15時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに左衛門 - めちゃくちゃ面白いです!もう続きが楽しみです! (2021年1月6日 23時) (レス) id: b1fc0b4e72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:lotus_r | 作成日時:2020年12月29日 2時

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