妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part４ (ページ9)

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第４.８話　第３の目がなくてもページ9

その日、私は小学校の正門前にある花屋で
ユージ君を待ち伏せしていた。

人間に変化したスネリと一緒に。

今は敵か味方かわからない犬と男の人の事で、
私が一人でいるのは危険。

だからいつも私の近くにはスネリかもっけが居るようにする。
それが二人の考えだった。

スネリと私は花を見て選んでいるふりをしている。

「ねぇ、あの子がユージ君だよっ」

「男の子達と一緒なのね……」

店を出て、ユージ君達を追う。
角を曲がった所でスネリは見えない霧の姿になった。

学校が見えなくなった途端、周りに居た三人の男の子達が
ユージ君にランドセルを持たせた。

「早くこいよ、こののろま」

「グズグズすんなよ」

ユージ君は背中に自分のランドセルを一つ、
両手に男の子達のランドセル三つを持っている。

そして持ち切れず、一つ落としてしまった。

「落とすなよ!」

そう言った後、足を蹴飛ばした。
蹴飛ばされたユージ君はよろけて倒れる。

「バカッ!」

男の子達はさらにユージ君を囲み、何かをしようとする。
私は耐えきれずに駆け寄る。

そしてユージ君を起こした後、ランドセルを男の子達の前に落とした。

「なんだよお前」

太った体格の男の子が私を睨んだ。
中学生相手にやろうと言うのか……ただ、私は女だが。

「……自分の持ち物は自分で持つ。持ってきたのは自分でしょ?」

「なんだと!」

拳を振り上げて殴ってきた。だが私は軽々と止める。

「なっ……」

「……こっち!」

拳を離して足払いをかけ、男の子がよろけている間に
ユージ君を連れてその場を去って行った。

他の二人の男の子は驚いて手をも出なかったらしい。
それを見ていたスネリは

「……第３の目がなくても戦えるんじゃないかしら……」

と呟いてついて行っていた。