妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part４ (ページ7)

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第４.６話　ユージと玉の行方ページ7

もっけは民家の屋根の上でその様子を見ていた。
私がようやくもっけを見つけると、そっとその場を離れた。

～翌日～

私は昼近くに起きると、もっけが御飯の用意をしてくれていた。

「おはよう。もっけが作ってくれたの?」

「あぁ、昨夜は遅かったからかもしれないけど、
起きるのがめずらしく遅いな」

「うん」

私が御飯を食べているとスネリが窓から入ってきた。

「どうだった?」

「ダメ。ユージ君、学校には持って行ってないみたい。
家を探したけど見つからないの」

スネリはユージが持って行った玉の事を言っているようだ。

ユージは家につくと、塀からよじ登って屋根をつたい、
二階のベランダに出ると窓から自分の部屋に入った。

スネリが窓の外で見ていると、ユージは何事もなかったかのように
ベッドに入って寝てしまった。玉を大事そうにパジャマの中に入れて。

「それで玉を盗んでくるわけにはいかずに、戻ってきたんだ」

「そうよ、それで……」

今朝もまたスネリはユージの家に行ったのだが
ユージは玉を服に入れたまま、片時も離さなかった。

「そのまま学校に持って行ったんじゃ?」

「そうなの。服の中に入れて持って行ったはずだわ。
ところが登校の途中で見失ってしまったの」

「スネリにしちゃ、ドジを踏んだな。またどうして?」

「大きな黒い犬がいたの。」

「っ!?」

私は驚いて箸を落としてしまった。

「それって、まさか」

「港町で見た犬と同じだったわ。しずくを追いかけていた時に
見た犬。気を取られている間にユージ君を見失ってしまったのよ」

「……スネリ、その犬はたぶん、カザンという名前の犬。私の話を聞いて」

私はスネリともっけに、これまでカザンと
関わってきたことを、順を追って話した。