第4.24話 止まらない涙 ページ25
それだから、頑張って声に出す。
「もっ……けは、一人……一人で戦ってる……!!」
これでも、涙声になりそうなのをぐっとこらえたつもりだ。
でも、全然……声は湿っていて。
その情けない自分の声と、
私を心配するスネリの声で余計に涙が出てきて。
……こんな私って……。
でも何で……こんなにも心が痛んで、涙が出るのだろう。
──この感じって、何……?
「もっけに……加勢、してきて……あげて……!!」
「…………」
いつまで経っても涙が止まらない私の様子に
スネリは少し考え込み、納得したような表情を瞬間見せた後
「分かったわ」
力強く言って、私の来た道を戻るように走って行った。
もし私が今泣いていなければ、一人孤独感で固まっていた事だろう。
そんな事も、涙で全て消されてしまって。
──泣いていても、何も起こらないのに。
声を殺して泣いていると、ふと、かすかな音が聞こえた気がした。
周りを見たが、誰も居ない。この暗闇の中
誰かが居るのに気が付かないだけかもしれないが。
きん。というあの音……何なのだろうか。
ふと、涙も止まっていた……。その時に。
シャ───。
風を切る音を、上空に感じた。
見上げた私は驚いた。大きな火の玉だったからだ。
しかし、よく見ると火の玉は鳥の形をした……
フラヒドリだった。
そして、この湖畔に降りてくるフラヒドリの爪に、
何かがぶら下がっているのを見て、私は悲鳴を上げた。
「スネリ! もっけ!」
鋭い爪を、持った脚は、スネリともっけの両方を掴んでいる。
フラヒドリは落ちてくる直前で、スネリともっけを話すと、
ゴミを捨てる様に湖に落とした。
私は迷いもせずに、大きく息を吸うと湖に飛び込む。
スネリともっけが、白い泡をともなって、沈んで行く。
それは、二人が私の手の届かない所まで行ってしまう……
そんなビジョンを見させられた様だった。
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作者名:フェイル | 作成日時:2010年10月29日 17時