検索窓
今日:7 hit、昨日:7 hit、合計:17,547 hit

第4.24話 止まらない涙 ページ25

それだから、頑張って声に出す。


「もっ……けは、一人……一人で戦ってる……!!」


これでも、涙声になりそうなのをぐっとこらえたつもりだ。
でも、全然……声は湿っていて。

その情けない自分の声と、
私を心配するスネリの声で余計に涙が出てきて。

……こんな私って……。

でも何で……こんなにも心が痛んで、涙が出るのだろう。
──この感じって、何……?


「もっけに……加勢、してきて……あげて……!!」

「…………」


いつまで経っても涙が止まらない私の様子に
スネリは少し考え込み、納得したような表情を瞬間見せた後


「分かったわ」


力強く言って、私の来た道を戻るように走って行った。
もし私が今泣いていなければ、一人孤独感で固まっていた事だろう。

そんな事も、涙で全て消されてしまって。
──泣いていても、何も起こらないのに。


声を殺して泣いていると、ふと、かすかな音が聞こえた気がした。

周りを見たが、誰も居ない。この暗闇の中
誰かが居るのに気が付かないだけかもしれないが。

きん。というあの音……何なのだろうか。
ふと、涙も止まっていた……。その時に。


シャ───。


風を切る音を、上空に感じた。

見上げた私は驚いた。大きな火の玉だったからだ。
しかし、よく見ると火の玉は鳥の形をした……


フラヒドリだった。

そして、この湖畔に降りてくるフラヒドリの爪に、
何かがぶら下がっているのを見て、私は悲鳴を上げた。


「スネリ! もっけ!」


鋭い爪を、持った脚は、スネリともっけの両方を掴んでいる。

フラヒドリは落ちてくる直前で、スネリともっけを話すと、
ゴミを捨てる様に湖に落とした。

私は迷いもせずに、大きく息を吸うと湖に飛び込む。
スネリともっけが、白い泡をともなって、沈んで行く。

それは、二人が私の手の届かない所まで行ってしまう……
そんなビジョンを見させられた様だった。

第4.25話 ゆめ……?→←第4.23話 心の痛み


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!

ナビ・ルナのラッキーキャラ!

さとし


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フェイル | 作成日時:2010年10月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。