第4.2話 火事の事件と怪談 ページ3
「理科室の怪談? どんな話か聞かせて」
「夜になるとね、理科室から泣き声が聞こえてくるんだって」
「それも火事のある日の夜に泣くって決まってるんだよ。
でもね、理科室は夜、鍵がかかっているから誰も入れないの。
幽霊の仕業かもしれないって皆言ってるけど、でも……」
「……その泣き声を誰が聞いたか知ってる?」
「知らないよね……」
「う、うん」
「火事のある日の晩に聞こえる泣き声……」
「ねぇ、どこの中学校の二年生? そんなこと聞いてどうするの?」
「んー、となりの区の東中だよ。ちょっと気になっただけ。それじゃあね」
すぐさま走る走る。
本気でまずいと思ってしまった。
「A、よく東中があるのを知っていたわね」
「うん、この辺は一度来たことがあるから」
「あら、そうだったの」
そしてカルメラ荘に帰ってくると、もっけがいた。
「お帰り。怪談は聞けたか?」
「なんとか。もっけの方は?」
「何も分からねぇ。もしかしてスネリが行っていたら、
何か匂いに気づいたかもしれないけど。
おいらには焦げ臭い匂いしかわからなかった。
ただ、近くの住民の話だと火の気のないところが出火場所だってさ」
もっけの話によると、
この近辺で最初におきた火事は先週の月曜日。
郵便局の近くの橋田さんという家。
その週の金曜日にはコンビニの隣の井本さん宅。
そして一昨日の木曜日には山内医院が火事になった。
「一つ気になることは、
それら三軒の家にはそれぞれ東小の子供がいたってことなんだよ」
「それで怪談が出来たのかもしれないんだね」
その怪談について、私とスネリが話した。
「ますます放火の疑いアリだが、まだ調査が必要だな」
第4.3話 夜の理科室→←第4.1話 水色といちごパーカーの二人
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作者名:フェイル | 作成日時:2010年10月29日 17時