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第4.19話 聴力により増すもの ページ20

「Aっ!!」


もっけがユージ君の元へ飛び、
スネリがフラヒドリの鳥に向かって飛び付く。

しかし、フラヒドリはスネリに捕まる寸前に飛び立った。


ユージ君の方も、もっけを払い落すと、玉を持った手を高く掲げる。
その姿は、普段のユージ君ではない。

虚ろだった目も、強い光を宿してまるで妖怪が乗り移ったようだった。


「A、これを持ってろ」


もっけは人の形に折られた和紙をくわえていた。
カルメラ荘でもっけが折っていた物だ。

私がそれを受け取り“それに、今ユージの髪を入れた。これが……”
と、もっけが説明した時。


しくしく、しくしく……。


玉の泣き声がいきなり大きくなった。
その泣き声は、頭を劈き、頭に響く。

超聴力をもつもっけは、“やめてくれ”と苦しそうに宙でもがく。
並の聴力の私ですら頭痛がするから、もっけにしたら殺人的な音だ。


「もっけ」


私がもっけの名前を呼んで、もっけを捕まえると、
耳を塞いでやった。だがそれでも頭を劈くような音だろう。

スネリはすぐに起き上り、体勢を整えると、
私に綿毛のような丸い物を二つ投げつけた。


「それで耳栓をして」


見ると、ぎゅうぎゅうに固めた白い毛玉だ。
もっけの耳に入れようとすると、


「もっけは私がやっておくわ」


とスネリに言われたので、自分で自分の耳にそれを入れた。


『A、あの玉をフラヒドリの鳥に渡してはいけないわ』


声は聞こえないが、なんとか口の動きで読みとる。


「どうして……あの玉は悠久の玉……なの?」

『わからないわ。でもフラヒドリの鳥が狙っている事は確かよ。
その結果、良くない事が起こるというのも』

「でも……玉は、ユージ君の手から離れない」

『力任せにしてはいけないわ。思い出して、呪符よ』

第4.20話 完全な鳥、子の姿はなし 祝110個目→←第4.18話 フラヒドリのもう一片


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年10月29日 17時

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