妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part４ (ページ15)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:17,536 hit

第４.１４話　火の元はナミの部屋に居たページ15

言われた通りにしてきたA。

「おいらに分かるのはここまでだ。後はAが
ユージの事を考えながら、気持ちを集中して紙に向かえ。
Aに流れている血が教えてくれるはずだ」

和紙は人の形に折られていた。

私が座って、それを受け取ると、目を閉じ気を集中させる。
私が閉じていた目をまた開けた時。

「こいつが万が一の時、役に立ってくれるかもしれないのさ」

というもっけの言葉を背中に聞いた。

～･～･～

真夜中、寝ていた私は悪夢にうなされて飛び起きた。

体中が汗だくになっている。タオルを取り、汗を拭っていると
キンと、頭に針を刺すような痛みを感じた。

『ナミの家へ行け』

「…………!!」

男の人の声だ。
カーテンを開けて外を見ても、人の影はない。

『早く!』

「っ……スネリ、もっけ、起きて!! ナミちゃんの家で何かあったようなの!」

チョーカーで髪を束ねながら二人に言い、アパートを出た。

～･～･～

私達はナミちゃんの家の前についた。
窓から炎がちらちらと見える。

「スネリは消防署へ電話して!」

私がそう言うと、もっけと一緒に家の中へ入って行った。

火の元となっていたのはナミちゃんの部屋のようだった。
もっけが他の部屋で家の人を起こしている間、私はナミちゃんの部屋へ。

そして、私はそこで信じられないものを見る。
ナミちゃんの机の上にユージ君が乗っていたのだ。

理科室の時でのように、虚ろな目をして。

「ユージ君!」

私の声でナミちゃんの目が覚める。

「きゃぁ!」

「ナミちゃん、逃げて!」

「ユージ……」