アナタの隣

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『か、髪の毛、だいぶ伸びたでしょ？』



恥ずかしがってるのを隠そうと喋る私



祐「うん、伸びたね。大人っぽくなった気がする」



祐希にそんな事言われると思わなかったから
また照れる。よかった、夕暮れで。



『イタリア美女はどうだった？』



照れ隠しで聞きたくもないことを聞いてしまう
こんなことしか聞けない私、自分で自分が嫌になりそう



祐「なんか、積極的だった(笑)」


こわかった、って苦笑いする祐希
イタリアでもモテるんだろうな


祐「Aは、俺がイタリア行ってる間
彼氏でも出来た？」


夕日の光に照らされ祐希の表情がよくわからない

それどういう意味で聞いてるのかな


『できるわけないじゃん。
生まれてこの方彼氏というものが出来たことありません。』


自分で言っておいて悲しい

でも中学の頃から片思いしてるから
仕方ないか


祐「でも、A高校の頃から可愛いし今は美人になった」


え？


祐「って太一が言ってた」


なんだ、祐希がそう思ってくれてるのかと


『相変わらず太一はイケメン王子様だね』


女の子が喜ぶことを言ってくれる


祐「好きな人は、いないの？」


どうしたんだろう祐希
今日はやたらと恋話をしてくる


『い、るよ』


祐希だよ、と言いたい


祐「へぇー」


聞いといてどうでも良さげな返事
傷つくよもう


祐「俺も、イタリアで好きな子に気づいた」


なんで急に祐希がそんな事を言ってきたかはわからない

けどその話をやめようとはしなかった

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