アナタの隣

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#石川side


将「祐希、イタリア行くらしいな」



あれから準備も進み
記者会見を開き発表した後
将さんから連絡が来て食事をすることになった



将「また成長して帰ってくるんだろうな」



恐ろしい後輩、って笑うマサさんは
俺が憧れてた人で真似をしていた人だ



将「A、悲しんでたんじゃない？」


Aの名前が出るとは思ってなくて
少し焦った


祐「いや、全然すよ」


将「はは、強がりだからな(笑)」


マサさんは俺の知らなかった頃のAを知ってる


将「絶対、寂しがってると思うよ。
A我慢するタイプだから。」



そうだといいんだけど



祐「中学の頃から、同じだったんです。転校してきて、マネージャーやり始めて、高校も同じでマネージャーやってて、大学も同じでまたマネージャー…だからっすかね、いつも一緒にいたからAが寂しがってないと悲しいのって」



きっと、長い付き合いだからだ
それだけのはずなのになんでこうも虚しいんだ


将「…それだけじゃないんじゃない？
Aに、寂しがって欲しいんでしょ？ほかの誰でもなく、Aに」



そう。
だけどマサさんのそれを言う意味がよくわからなかった



将「まだ気づいてないのかもしれないけど、気づいた時には遅いかもしれない。早く気づけるといいな」



なんだか楽しそうでもあるマサさん
大人の意地悪



その後はAの話をせず
イタリアでこんなことしたいとか
バレーの話をしてた


結構時間が経って帰ろうとすると
マサさんはサッとレジに行って
会計をしてくれた



いいっすよ、払います


って言っても


先輩ぶらせろよ(笑)


って言って払わせてくれなかった


祐「大人っすね、マサさん」


将「は？(笑)全然だけど」


いや、考え方も、行動も大人っぽい

やっぱり俺の憧れる人だ


将「イタリアで頑張ってこいよ。
俺もこっちで頑張ってるから。」



祐「はい。ありがとうございます。
ごちそうさまでした」



軽く挨拶を交わして
お互い帰ろうとして歩きはじめると



将「祐希！俺も祐希の立場だったら彼女に寂しがって欲しいと思うよ。彼女が好きだからな」



じゃあな！


とまた前を向いて歩き始めるマサさん


…


彼女が好きだから
寂しがって欲しいと思う



…俺はAに寂しがって欲しいと思う

俺はAが…



.

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