８話 ページ10
FWには私。DFには塔子ちゃんが入って、試合が再開された。
「おいおい、お前、FWなんて出来んのかよ」
「わざと狙ったよね。染岡くん」
「だから何だっていうんだよ。よけれねぇ奴が悪いだろ」
「そう、なら文句言わないでね」
ボールが私のところまでパスされ、一気にゴール前まで走る。
「遅い」
軽く、DFを抜き去りあっという間に、源田くんと一対一の状態に。
シュートを打てば、彼は禁断の技を使うのだろう。しかし、反応できなければ意味がないことはさっきのシュートで分かった。
「シャイニングスピア」
その名の通り、光り輝くボールはその光でフィールドを照らす。
その光を目の前で受けている源田くんは目も開けてはいられないはずだ。だからこそ…。
「な、なにが起こったんでしょうか！！光が収まったときには既にシュートは決まっていたぁああ！！しかし、これで点差は2点！！」
2対０。
さぁ、君はどうでる？不動明王くん
「できるよFW。そもそも、小さい頃はFWだったから」
煽るように不動明王に笑いかければ、彼は舌打ちをして、その後にニヤリと笑う。
あれは何かを仕掛ける時に見せる顔だ。
「そーかよ。まぁ、足元には気を付けるんだな」
そう言って、去っていく彼の背中を見ているところで背後から声がかかる。
「おーい、A！！お前、やっぱりすげー奴だな！！その調子で攻めていこうぜ！！」
「うん！ありがとう円堂くん！」
これが、円堂くんのチームで戦うということか。
あのチームでサッカーをする感覚とは大分違う。小さく息を吐き、試合にまた集中する。いま、ボールを持っているのは不動明王。奪うのは簡単だ、だけど。
「佐久間にはボールを出させない！」
ここは、一ノ瀬くん達に任せるべきだ。
「いい子ちゃんは引っ込んでな！」
「なっ！！」
不動明王の蹴ったボールが一ノ瀬くんの腹部に激突し、その零れたボールが佐久間くんに渡る。
まずい！
「皇帝ペンギン…一号」
これで…二回目！
「ぅ…ぁああ！！」
響き渡る佐久間くんの絶叫。
それと同時に、そのシュートと円堂くんとの間に有くんが割り込む。
「な、有くん！？ダメ！！」
急いで、ゴール前まで走り、しかしそれは間に合わない。
そのシュートに吹き飛ばされた有くんはフィールドに倒れこみ、弱まったシュートを円堂くんが何とかキャッチ。
無茶…しないで。二人とも。
その言葉をなんとか呑み込んで、首を振った。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←７話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル x他1人 | 作成日時：2019年5月7日 22時
