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僕は自分の声が嫌いだ。
大、大、大嫌い。
「真冬の声、綺麗でしょ！」
君がそう言ってくれなかったら、きっと一生そう思い続けたままだっただろうな。
…………………
…………
……
「………」
花が散り、もの寂しい桜の木が目立つ高校で、僕は入学説明書片手に頭を悩ませていた。
この高校を選んだのは、特に理由があったわけじゃない。ただ、このドがつく田舎で自宅から一番近かった学校を選んだだけ。
僕らの住む街には、高等学校は２、３校ほどしかない。面積が広いわりに、若者人口は年々減っており、高齢化が年々進行している。
２、３校、とはいえど、海に面しているこの街には、海洋系の専門高校が一校あるから、そこを除外すると選択肢は二つしかない。僕は漁師とか、そういう系が将来の夢ではないから。
「部活……やっぱり、高校行ったならスポーツ……？」
倍率はそこそこ高かったものの、なんとか合格することができた。中学の友達は、他県の高校に通う、という人も多く、僕の友達はほとんど同じ高校に進学することはなかった。
ただ、そもそも１０代の人口が少ないから、入学生の一覧に並ぶ名前はどれも見覚えのあるものばかりだった。
そして、僕が頭を悩ませているのは、なんと言っても部活動。
正直に言おう、僕は青春したい。
仲間たちと、高校の長く短いひと時を晴れやかに過ごしたい。
「でも、サッカー部とかテニス部なんて絶対陽キャたちの集まりじゃんか……」
やっぱりスポーツか。
運動なんて、学校の体育でしかまともにやったことがないが、大丈夫なのか？いや、大丈夫なわけない。
人柄やコミュニケーション能力の方はどうかと聞かれても、閉口するしかない。ただの陰キャの僕に、スポーツなんて続けられる？
「どうしたー、真冬ー」
と、いきなり、背後から自分を呼ぶ声が聞こえ、慌てて振り返って声の主を確かめる。まぁ、新しい学校で友達、なんて一人くらいしかいないけどね。
「せなー、部活、どうしよう……」
「何、まだ悩んでるの？」
幼馴染の瀬奈は、僕の顔を見るなり呆れたような表情を浮かべた。
そんな顔をしたくなるのも確かにわかる。
入学前から、「部活入るか入らないか」の相談なんてずっとしてたんだから。
……僕が一方的に
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作者名：Ir | 作者ホームページ：http://manaaa
作成日時：2023年2月18日 20時
