検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:1,232 hit

14 ページ14

.



「真冬!真冬起きて!!」



どんどん、と大きな音を立てて部屋のドアをノックする音で、僕は目を覚ました。悠長に、今何時だ、と確認すると、7時25分と表記されたデジタル時計が目に入った。

帰ってきてから、そんなに眠っていたのか。


ふわふわと、寝起きで朦朧とする頭でぼんやり考えている間も、ノックの音はやまない。母さんだろうか。



「なんかあった?」

「真冬!あんた、大変なことになったわよ」



ドアを開けると、普段とは明らかに違う、焦燥し切った母親の顔がそこにあった。その、見るからに何か起こったのであろう表情に、僕は自分の頭に、嫌な予感がさっとよぎるのがわかった。



「なに?」

「瀬奈、瀬奈ちゃんが……」



そこまで言うと、母さんは僕の目からなぜか視線を逸らした。


せな?せなって、あの瀬奈のこと?



「瀬奈、瀬奈がどうかしたの?」



必死に尋ねるけど、なにも言わない。僕は母さんの肩を掴んで、もう一度強く尋ねる。

本当に嫌な予感がする。

数時間前まで一緒にいた瀬奈を思い出す。
おかしいところは、特になにもなかったはずだ。けど、言動がいつもと、なんか違うなとは思ったけど。


その思考まで辿り着いた時。

僕の頭に、真っ黒な雲が差し掛かった時。



「瀬奈ちゃんが、死んだって」



同時に放たれた、残酷すぎる真実が、僕の頭と脳みそをかち割った。

15→←13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:夢小説 , utit , mfmf
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Ir | 作者ホームページ:http://manaaa  
作成日時:2023年2月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。