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9話 ページ9





「言ったやん、『ここに住む』って」

「あ……」


そう言われて私は、確かにそんなことを言っていたことを思い出し、本当にこの男は何者なんだ…と思ってしまった。多分、アレだ。「正体を知った者は殺される」系のやばい人だ。

こっそりとこの男への警戒レベルをワンランク高めて、もう色んな意味でこの人怖いと思う。


「あの、この人たちは……?」


私は、男が部屋から出てきた瞬間に一斉に腰を曲げ、最敬礼をしている男たちを指して尋ねた。


「あー、こいつらね。うーん、なんて言えば…。まあ、ボディーガード?警備員?みたいなものだと思ってくれればいいよ」

「なんでそんな人たちが、ここに?」

「俺と君の護衛目的で」


呼び出した。こんな大勢の人を。雇っているんだろうが、一体どれほどの人件費………。
てか、私にそんな警備員要らないって!
後で領収書とかで請求なんかされたらどうしよう、と身震いしていると、


「そういえば、名前、なんていうの?」

「…川崎、Aです」


「へぇ、Aって言うんか。よろしくな」

「あなたのお名前は?」


いつまでも「男」と言う認識では失礼だろうと思い、名前を聞いてみた。


「俺?俺は坂田」


随分と簡潔な返答で、あまり多くを語らないタイプかな、と思った。

話を戻すけど、結局私、ここに住まなきゃいけない流れになってるよね?


流されやすい、という性格、いつか変えたいと思っていたけれど、自分の意見を貫く姿勢をまさかこんなところで必要とするなんて思ってもみなかった。


ぶっちゃけこの空気でそれを伝えるのとかあまりにも気まずいし、絶対許してもらえないだろうし、私はずっとバックハグされてるし、いかつい男の人たちはずっと礼してるし。

なんなんだこの空間。情報量多すぎる。








「あ、あとさあ、俺こう見えてもマフィアやってるから、銃とかよく見るかも知れへんけど気にせんといてな」


………………。

……。

………………………。



うん、そっか。

まあ、この世にはいろんな人間がいるもんね。

マフィアの一人やふたりいても、おかしくないよね。

気にしない、気にしたら負け。

そう、そうだよね。


そうって言ってくれええ!!











こんなはずじゃなかった私の人生。




この男のせいで




波瀾万丈ストーリーが、幕を開けてしまった。

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けんまおし1016(プロフ) - とてもおもしろいです!少し文章の間を広くしてくれれば読みやすいと思います! (2022年8月17日 19時) (レス) @page3 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - コメント失礼致します!!読んでて凄くきゅんきゅんしました、!!!素敵な作品を本当にありがとうございます😭💕💕 (2022年8月14日 5時) (レス) @page21 id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
ノンレム睡眠 - 前々から気になってた作品で読んでみるとど好みストレートでびっくりしました🙃 これからも愛読させていただきます!神作ありがとうございます🙌❤ (2022年8月12日 18時) (レス) @page21 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ir | 作者ホームページ:http://manaaa  
作成日時:2022年7月16日 22時

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