4話 ページ4
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冗談はほどほどにしてくれよ。
今まですーすーと静かに寝息を立てていたのに、いきなりうなりだして「おはよう」って。
最悪だよ、本当に。
というか、この状況で普通におはよう、って言えるとかどんな神経。普通の人間はそんなことできないよ？
独り言を心の中に並べてみるけど、無意味なことは知っている。
そもそも、恐怖の象徴みたいな物がワンナイトベッドにおいてある時点で、この男が「普通の人」である可能性は諦めないといけないのだ。
仕方がない。
腹をくくった私は、震えそうな声で「おはようございます」と答えた。
そう、そうなのだ。
銃は人を殺められるものだけど、それは殺そうと思ったときの話だ。私がこの男の機嫌さえ損ねなければ、絶対、とは言えないがここから無事に帰れるはずだ。
むやみやたらに人を殺すなんてことはしないだろう。
そう判断した私は、早速、
「今、どういう状況なんでしょうか？私、昨日の記憶が全くなくて…」
こちらが何も覚えていないのだから、相手に聞くのが状況把握には良い手段だろう。
ところが、
「寝起き早々質問攻めやな〜。まあ俺もあんまり覚えてないけどな」
と、絶望的な答えが返ってきた。
えー…というのが本音だが、覚えていないのは私だって同じだ。そこの点についてはこの人が悪いわけではないので、責めることはできないが、でもやっぱりね…。
「あの、起きたらこの状態だったんですが、これって…」
「あーうん、ワンナイトしたね」
いや、知っておられますやん。
その事実は全く嬉しくないが、大きな可能性がひとつ消え、さらにため息をつきたくなるような現実になって帰ってきた、と言うことだ。
あーどうしよう。とりあえず、お互いに既婚者なのかとか、そういう質問からした方が良い？いやそれは当然なんだけど、身元とかお互いに分かっていた方が良いに決まってるし。自己紹介する？いや、そんなこと呑気にしてる暇はなくないか？
自問自答を繰り返してみるが、どんな返しをしてもあまり良い未来には繋がらないような気がして気が滅入ってしまう。
どうしよ…本当に。
私もっと純粋な恋で初ナイトしたかったよ。
「はあ………」
「？ なんでそんなに悲しそうなん？」
だって知らない人とワンナイトですよ？とはさすがに失礼すぎて言えない。
また返答に困ること言ってくれる。
「別に良いやん、だってこれから一緒にここに住むんやし」
はい？
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けんまおし1016(プロフ) - とてもおもしろいです！少し文章の間を広くしてくれれば読みやすいと思います！ (2022年8月17日 19時) (
レス) @page3 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - コメント失礼致します！！読んでて凄くきゅんきゅんしました、！！！素敵な作品を本当にありがとうございます😭💕💕 (2022年8月14日 5時) (レス) @page21 id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
ノンレム睡眠 - 前々から気になってた作品で読んでみるとど好みストレートでびっくりしました🙃 これからも愛読させていただきます！神作ありがとうございます🙌❤ (2022年8月12日 18時) (レス) @page21 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ir | 作者ホームページ：http://manaaa
作成日時：2022年7月16日 22時
