14話 ページ14
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「え、会社辞めるの、嬉しいの？」
人の下で働く経験なんて、一度もしたことはないが、そんなに嫌な仕事だったのか？
いや、もしかして…
「はい！！ もうブラックもブラックだったんですよ！残業代は出ないし、仕事量は多いし、後輩は敬語も使わないし、上司はセクハラしてきますし、最悪だったんです！」
「……なるほどねえ」
俺は、自分の予想が当たったことを知る。
やっぱり、セクハラパワハラ業務量多めの典型的なブラック企業だったか。
Aちゃんは、とても嬉しそうに目を輝かしているが、それもそうだろう。
コンプラ意識の低い会社勤めなんて、俺なら死んでも嫌だね。まあ、まず誰かの指示で動くことが論外だが。
「や、やめていいんですか？ほんとに…？」
「当たり前やろ。女の子一人養うくらいに苦労するような仕事はしてへんし」
確認するように、不安げに聞くAちゃんを安心させるためにもう一度言う。
俺が、「職」といった瞬間、何だか怪訝そうな顔をしていたのは無視しておこう。
「いえ、養ってもらうのは、ちょっと…」
「いや、ほんとに。俺がそうしたいだけだから」
「いえいえ本当に、申し訳なさ過ぎて親に顔向けできません」
「ははっ、なんやそれ」
真面目な顔で言うAちゃんが面白くて、つい笑ってしまう。「本当ですから！」と、焦りながら一生懸命伝える姿は、俺を飽きさせない。
「まぁ、あてができたらな？」
「すぐにでも、就職します…」
もちろん、そんなこと許可する気もないが、とりあえず口約束をしておく。Aちゃんを人前に出すなんて、まだできそうもない。
「そんなに焦らなくても、な？」
そう言って、俺はにっこりと微笑む。けど、それはAちゃんへ向けたものと言うより、知りもしないブラック企業への苛立ちだ。
とりあえず、その会社は潰しておこう。
Aちゃんは俺の興味を引いた。
その時点でAちゃんは俺のものなのだから。
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けんまおし1016(プロフ) - とてもおもしろいです！少し文章の間を広くしてくれれば読みやすいと思います！ (2022年8月17日 19時) (
レス) @page3 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - コメント失礼致します！！読んでて凄くきゅんきゅんしました、！！！素敵な作品を本当にありがとうございます😭💕💕 (2022年8月14日 5時) (レス) @page21 id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
ノンレム睡眠 - 前々から気になってた作品で読んでみるとど好みストレートでびっくりしました🙃 これからも愛読させていただきます！神作ありがとうございます🙌❤ (2022年8月12日 18時) (レス) @page21 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ir | 作者ホームページ：http://manaaa
作成日時：2022年7月16日 22時
