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9話 ページ9





風を切って、落ちていく感覚。
それはとても爽やかで、満ちていて、何も考えなかった。
嫌いなことも、好きなことも、全部平等に並んで、全部を一気に見渡せた。
その時に、私はどれをみても何も感じなかった。
何に対しても、なんの執着もなかった私の人生、中身は空っぽだった。
ただ1人を除いて。
やっぱり私には君1人だけだったね。
私は君に、支配されていたの。
死ぬ間際に、間違いのない真実に辿り着けたことだけが、私を喜ばせた。
これで、私と君は、本当の意味で「ずっと一緒にいた」ことになるんだね。

段々と地面に体が近づく。
私は、君と一緒に、






お別れする。


さよなら。





……………………

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作者名:Ir | 作者ホームページ:http://manaaa  
作成日時:2022年6月25日 19時

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