【ＨＱ】脇役とヒロイン。

＊第５０話＊ ページ7

＊





〜過去編〜



俺は、高一の時からずっと、萌恵が好きだったから。


及川よりも、ずっと先に好きになった。

だから、友達としての仲の良さは、及川よりも俺が上だった。


嬉しかった。

及川よりも、仲が良いって…及川よりも…って、嬉しかったんだ。


でも、あの日。

知ってしまった…

知りたくなかったことを

知ってしまったんだ。


俺と萌恵としかいない、教室。

２人きり、という空間に俺は、舞い上がっていた。



「ん、萌恵…どうした？」



いつもより、テンションが低い萌恵に俺は、思わず声を掛けた。



「あの、ね…

一(はじめ)に聞いてほしいことがあるの」



心なしか、心拍数が高くなった気がする。



「え、うん…どうした」



俺は、萌恵の顔を真っ直ぐに見て、聞く。



「お願いだから、誰にも言わないで…親友の一だからこそ、言うの」



"親友"

普段なら、嬉しいはずのその言葉が俺の胸にチクリと刺さった。



「わかった」



なんとなく、わかっていたんだ。

何を言われるか。

聞かない方が良いって、わかってたのに…聞いてしまった。



「私、徹のこと…好きなの」


「へ、へぇ…そうなんだな」



胸に突き刺さった、その言葉は俺の心を削っていくようだった。









あの後、萌恵からは、

協力してほしい

と言うことを言われ


俺は、了承した。

だって、好きな奴の頼みだぜ

たとえ、それがどんなに嫌なことでも俺は、

きっと…okしちまうんだろうな






next

＊第５１話＊→←＊第４９話＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す