＊第７６話＊ ページ40
＊
『…もう、いいから…ｯ！』
「…A。」
Aは、悲しそうに微笑んで過去の話を聞いていた彼らに向かって言い放った。
『すいません。私がこの事を早く言っておけばよかったなのに。』
「…悪ぃ、
俺が１番近くにいたのに気付けなかった。」
岩泉が、彼女にそう言うと
彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
だが、すぐに悲しそうになる。
それでも、彼女は笑った。
『いいんです。
だって、私は…姉の事が…＿＿＿＿＿。』
「A…！！！｣
皆が、彼女の名前を呼んだ主の方を見る。
それは、紛れもなく萌恵だった。
『お姉ちゃん…。』
「なに、被害者面してるのよ！！
あんたが、あんたが…っ」
そう血走った目で言う萌恵の片手には、
カッターがしっかりと握られていた。
「…萌恵っ！お前＿＿＿＿＿…！」
萌恵がカッターを持っていた事に真っ先に気付いた及川が、彼女を止めに入る。
それに釣られるように周りも、彼女を止めようと萌恵の方へと行こうとした。
だが…
「来ないで…！！
来たら、殺すわよ？」
「…っ。」
刃物を向けられて流石に動きが止まる彼らを見て、萌恵は妖しく笑った。
「…所詮、アンタたちも
Aの味方だったのね…。」
『＿＿違う…っ！』
「アンタになにがわかるのよ！！
自分より優れてる妹が大嫌いだった、みんなアンタに奪われて…
私がどんな気持ちだったのか、アンタにわかる？」
萌恵は、
数メートル先のAに向かってそう言った。
Aは、萌恵の言葉を聞いて悔しそうに唇を噛み締め、下に俯く。
『…ごめん、なさい。』
「…はっ？
今までの私の屈辱と絶望が、たった一言の"ごめんなさい"でパーになるとでも思った？」
「…萌恵＿＿＿＿＿」
『許さないわよ…ｯ！
……許せる訳、ないじゃない…っ。』
萌恵が泣き崩れる。
"もういや"そう言いながら、カッターを持ったで何回も何回も床を叩いた。
周りも、そんな萌恵の姿に立ち尽くす事しかできなかった。
そんな矢先だった。
「…徹ぅ…。」
「萌恵…。」
「徹、大好きよ。
でも、貴方は私を見てくれない。
Aのことばかり、気にして
貴方があの子の物になるくらいなら…」
「…萌恵？」
「私と死んでよ…ｯｯ！！」
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夜空 - すごく面白かったです。話が作り込まれていて、私も夜久くん推しです。 (2020年1月28日 21時) (
レス) id: abc6410102 (このIDを非表示/違反報告)
matinbo0622(プロフ) - 夢主ちゃんの初恋相手って及川じゃないんですか？ 山田になってますよ。 (2017年11月4日 11時) (レス) id: 1b52c589be (このIDを非表示/違反報告)
凛曇 - とてもいい話しですね！感動です!!!! (2017年8月23日 22時) (レス) id: acb4818faa (このIDを非表示/違反報告)
沙奈(プロフ) - とっても面白かったです。、素晴らしい作品をありがとうございました！ちなみに質問なんですけど、メールのやつってどうやってるんですか？！ (2017年8月23日 22時) (レス) id: 6f57c0d647 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - もちろんです！更新楽しみにしてますね (2016年11月17日 15時) (レス) id: 5339e8d940 (このIDを非表示/違反報告)
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