【ＨＱ】脇役とヒロイン。

＊第７４話＊ (過去編) ページ38

＊





〜過去編〜



当時、私と裕人は、小４で。

姉が、小６。

ちょっと、おマセな恋だった。


でも、それも、もうおしまい。

私たちは、それぞれバラバラの道を歩むことになるのだ。





｢鬼ごっこしよ！｣



｢…うん！｣





そう、このことが原因で、私たちは、行く先を違えてしまうのだ。





｢じゃあ、俺から鬼ね！

…いーち、にい、さーん…｣



｢逃げろー！｣



｢きやあ…！ふふ！｣





はじめは、裕人が鬼で、代わり鬼。

私と姉が逃げる役で、公園の中を走り回った。





｢つーかまえたっ！｣



｢うわっ！…ちぇ。

じゃあ、次は、私が鬼ね！｣





次は、私が鬼の役。

点呼をして、走り出す。


姉が近くにいたから、

姉を追いかける。


姉は、当たり前だけど、逃げていく。

裕人も、｢はは｣ と笑って、楽しそうだ。





｢待ってよ〜、お姉ちゃん！｣



｢ふふっ！ここまで、おーいで！｣





姉は、余裕そうに私を見ながら、後ろを向いて、走っている。

その時。





｢…もう！お姉ちゃん、そこ！公園の外！アウトゾーンだよ！｣



｢ふんっ！そんなルールしらないもーん！｣



｢もう！………！！

＿＿＿＿お姉ちゃん！危ない…ｯ！｣



｢＿＿＿＿＿…っえ…？｣





姉は、前を見ていなくて、

道路に飛び出した。


私が、声を発した時には、もう遅かったのだ。

横から、来たトラックが、姉に向かって、走ってくる。



ﾌﾟｰｰｰｯ ｷｨｲｨｲｲｨｨ ｶﾞｯｼｬｰﾝ!

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