【ＨＱ】脇役とヒロイン。

＊第６９話＊ (閲覧注意) ページ33

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〜滑津side〜



朝、起きたら、誰も居なくて、疑問に思いながらも、

部屋を出た。


食堂に行ってみたりも、したけれど、どこにもマネの姿はなかった。

当てずっぽうに廊下を歩いていると、Aちゃんと夜久さんがいる。


気になって、２人が見ている部屋の扉を開けてみた。

だが、すぐに後悔した。


その光景に、恐怖と衝撃と絶望が一気に私を襲って来た。





｢な、なんだよ…これ。｣





駆け付けて来た、みんなが声を揃えて、そう言う。

まあ、それも仕方ないだろう。


壁一面にAちゃんの写真が貼り付けられてて、

そして、赤いスプレーで書いたのだろうか、


"斉藤萌恵は、
斉藤Aを殺した"


そう、何度も何度も壁一面に書いてある。

どういうことだろうか。

様々な感情が渦巻くなか、今、１番来ては行けない人が来てしまった。





｢…みんな、どうかしたの？

…………………なにこれ…｣





萌恵さんだ。

目を大きく見開いて、

状況を把握出来ていないかのように硬直してしまった。





｢こんなの嘘よ…！

デタラメ…でしょ！｣





今まで見たことがないような顔をして、萌恵さんは

壁の写真を剥がしていく。


その萌恵さんの後ろには、どうやら、青葉城西の人たちもいるようだ。

でも、Aさんは、固まったままだ。





｢アタシは、殺してなんか…｣



｢おい、萌恵｣



｢アタシは……｣



｢おい…！｣



｢殺してなんかないわ！！！｣





岩泉さんが、萌恵さんの肩を掴んで、萌恵さんを落ち着かせる。

萌恵さんの足はガクガクと震えていて、目には涙が溜まっている。





｢アタシは…殺してなんか…ッ！｣



｢＿＿＿殺したんだよ。｣

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