【ＨＱ】脇役とヒロイン。

＊第６８話＊ ページ32

＊





『…夜久、先輩…？』





私は、扉の前に立っている夜久先輩に声をかけてみる。

こっちに気付いた夜久先輩は、目を見開いて、固まった。





『どうかしましたか』





硬直状態の夜久先輩を他所に、私は夜久先輩の前に行き、

扉を開けようとする。





｢…っ！

ダメだ！見ちゃ…！｣





夜久先輩が声を掛けてくれた時には、もう遅かった。

見てしまった。


恐ろしい、その光景を。





『…ひっ…！』





後ろに尻餅を付いて、思わず、目を疑う。


心拍数が一気に上がり、

呼吸が荒くなる。





｢どうかした？｣





そこに舞先輩が通り掛かる、


ダメ！


そう言いたいのに、言葉が出ない。

それは、夜久先輩も一緒で、何も言えず、何も出来ず…ただ。


その時を、待つことしか出来なかった。





｢…や…や…。

きゃあぁあぁぁぁぁぁ！！！｣





舞先輩の叫び声を聞いて、すぐに集まった人たちも

同じく目を疑った…。





｢な、なんだよ…これ。｣

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