【ＨＱ】脇役とヒロイン。

＊第５４話＊ ページ11

＊





〜月島side〜



『月島くんって…』



ふと、Aがそんなことを言った。


なに？


そう聞き返して見れば、Aはこっちを見ながら微笑んで言った。



『…いえ、なんでもないです』



なにそれ

そんな可愛い笑顔を見せながら、言われたら…

期待、しちゃうじゃん。


ていうか、なんで、僕…

Aのことなんて、考えてるんだろう。

ああ、意味わかんない。


心拍数が上がって

顔が熱くなって

いつの間にか、Aのことを目で追いかけている。


"恋"？

は？僕が…？Aに？


うそ、デショ？

だって、僕は女なんて…

好きなんかじゃ…


横目で彼女を盗み見る。

真剣な表情を浮かべながら、扉を見つめている。


あっ、だめ。

ずっと、見ていられない。


やばい、うそだよね

そんなの…


僕が…Aを…？


ああ、好きなの？

好き？愛してる？


ああ、そういうことね。

僕は、恋をしたんだ。


まさに無謀な恋を…


それでも、いいよ。

敵がどれだけ居ようが

彼女の好きな奴が僕じゃなくても、僕は…


_________Aを好きでいるだけ。









next

＊第５５話＊→←＊第５３話＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す