出会いは突然と【nqrse】

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「ふふーん。」

「ご機嫌だね。」

「なるちゃんが私の事嫌うわけないって知ったからね。」

「なんか恥ずかしいからやめて・・・。」



バーでしばらく飲んで帰り道。

なるちゃんが家まで送ってくれている。

断ろうとしても、家近いし心配だから

とむりやり送ってくれる。

ほんとに優しいんだから。



「なるちゃんち、どのくらい近いの？」

「バーから5分くらいかな。」

「えっ。近！」

「だから言ったじゃん。」



想像より近くて驚いた。

私はバーから10分くらいだ。

それでも十分近いけど。



「俺、基本家出たくないんだよね。」

「え。そうなの？」

「うん。でも最近は楽しい。」

「そうなんだ。よかったね。」



隣に歩いているなるちゃんが

いきなり歩くのをやめ、その場に止まった。



「どうしたの？」

「Aちゃんのおかげだからね。」

「ん？なに？」

「んーん。なんでもない。」



なるちゃんは何かを呟いたが

声が小さく私には聞こえなかった。

内容が気になったけど

ほら、いこ。となるちゃんが歩き出したから

私も隣で歩き始めた。


そこからはくだらない話をして

気づいたら私の家の前。

なるちゃんといると時間があっという間だ。



「じゃーね。」

「うん。ありがとう。」

「ん。おやすみ。」

「おやすみ。」



なるちゃんの姿が見えなくなるまで

私は家に入らなかった。




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