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第五十八話 ・一心同体・ ページ13

《物語side》

とある森の中。


ヒュッ ヒュッ


刀が風を斬る音がする。

少女「ふっ、はっ」

少女は素振りをしていた。

手の中の真剣は通常よりも長く、少女の身長には不似合い見える。

それでも少女は顔色変えず続けていた。

少女「…ふぅ」

?「主」

後ろの声は少女のよく知っている人物。

顔に十字の傷のある、青緑の長髪の男であった。

少女「ん? お前か、どうしたの?」

男「…まだ悩んでいるのか?」

少女「ああ。就任の話なら…」


男「嘘は目に見えている」


少女「……」

少女は眼を細めて彼を見てから、諦めがついたように溜め息をした。

少女「やっぱり分かるか。でもそれはそうだよね」

男「何故悩んでいるのかまでは理解出来ないのだが。何か問題でも」

少女「いや問題って程じゃないけど…。ただね、まだ6歳の私にあんな力を手にしていいのかなって」

男「上に立つべき人間に為るからか?」

少女「それもそうだけど…。いつか力暴走するんじゃないかって、日に日に不安になるんだ」

男「…主はその様な方ではない。力の暴走もなければ、己の大役も果たせる」

男は少女の前で跪(ヒザマズ)く。

男「主がいかなる困難に挑もうも。我は矛となり盾となり、全霊をかけて主を護り致す」

それに少女は優しく笑う。

少女「ありがとう。…ただその上下は止めて欲しいな。どちらかと言うと平行線の立場が良い」


男「……」

少女「う…。お前その命令だけ受け付けないよね…」


少し残念に思いながらも、少女は刀を手に取った。

少女「…でも折角だ。今日は練習しない? 気分が晴れたからやりたいんだ」

男「御意に」

男は少し口元に笑みを浮かべて答える。

少女も同じように口角を上げた。


間もなくして、鋼と鋼のぶつかり合う音が聴こえた。

その音は静かな森に長く響いた。

どうでもinformation☆ ・その4・→←第五十七話 ・夢からの・


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睦月 雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!とても好みの作品です!読んでいて飽きないし面白いです。更新がんばってください!楽しみにしてます(*^^*) (2016年7月5日 10時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
可愛いものとロリショタ好きな色々危ない甘党女子高生 - いやぁ、楽しみです!更新頑張って下さい!(アリア…ツンデレかな?) (2015年8月1日 23時) (レス) id: 8e4538ac73 (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!頑張ってください( *´艸`) (2014年8月9日 3時) (レス) id: 6b26f8502c (このIDを非表示/違反報告)
いちご - この小説とても好きです!続きが楽しみです! (2014年6月19日 23時) (レス) id: 90a9777227 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 続き楽しみにしてます。がんばってください。私も何か作品作ろっかな〜 (2013年8月12日 16時) (レス) id: 724a281d4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蓮水 | 作者ホームページ:http://yaplog.jp/roconails/  
作成日時:2012年5月6日 23時

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