136話:王子様は待っていた ページ7
舞踏会ではとても綺麗な
ドレスを着飾った女性ばかり
その綺麗なドレスで着飾られた女性の
視線の先にはその人がいた
その人はいつも通りの笑顔ではなく
とてもつまらなそうに
段差の上の豪華な椅子に腰をかけていた
『あんだあの仏頂面は…』
少し違うその人の顔みると
私は少し笑ってしまった
張り付いたような笑顔は
どこにいってしまったのか
いつもいつも楽しそうに
笑っているその人の
つまらなさそうな顔
私は少しだけざまぁみろと思ってしまう
その瞬間
こんなにも人がいる中で
私とその人の目と目が合った
合ったとたんその人ときたら
先程までつまらなそうしていたのに
一瞬でその表情を変える
難しそうにしていた眉は
いつ戻りの形へ
下がっていた口元は上がり
つまらなそうにくすんでいた
瞳はまるでビー玉のよう
「Aちゃん！」
その人の声は決して大きなものでは
なかったはずなのに広いフロアで響き渡った
まずいと思い私が後ろを向き
走り出そうとした瞬間
私の腕を掴みクルリと彼の方に向かされる
さすが夢…一瞬で捕まってしまった
私は、観念して口をひらいた
『離して下さい、遊佐さん』
遊佐さんはいつ戻りニコニコしながら
私でもわかるぐらい嬉しそうにしていた
「え〜？なんでよ
せっかくやっと会えたのに」
掴んでいる手は決して強い力ではないが
私には何故か振りほどけない
『せっかく会えたのにって…
設定上では王子様とは初対面のはずですが…？』
「そんなことないよー僕はずっと待ってたんだよ
Aちゃんのこと」
設定フルシカトの遊佐さんは
少しだけ苦笑いをしながら
「すごく退屈だった」と付け加えた
本当におとぎ話で出てくるような
王子様の格好をした遊佐さんは
意地悪でその格好を馬鹿にできないほど
様になっていた
こんな人と居たら女性から大ブーイングだろうな
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縦の糸(プロフ) - もなりざさん» もなりざ様:コメントありがとうございます！とても嬉しいです(*'-'*)すみません、めちゃくちゃ悩んでます(;o;) (2020年10月23日 13時) (
レス) id: 1b6e254182 (このIDを非表示/違反報告)
もなりざ - いつも楽しく読ませていただいています！私も石田さん落ち読みたいです！！ (2020年10月22日 18時) (レス) id: 1c77010181 (このIDを非表示/違反報告)
縦の糸(プロフ) - もね様:コメントありがとうございます、とても励みになります！石田さんの小説も作りたいです（ ; ; ）すごく迷ってます… (2020年10月22日 9時) (レス) id: 1b6e254182 (このIDを非表示/違反報告)
もね - こちらの小説がとても大好きで楽しく読ませて頂いてます！石田さん落ちも読みたいです！！ (2020年10月22日 0時) (レス) id: 87d643dd1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縦の糸 | 作成日時：2020年9月30日 0時
