97話:お店 ページ28
『あのー、
まだ違う方向に向かっている
気がするのですが』
「ん？道は合ってるよ」
いや、確かに
自宅方面の道じゃない
『とぼけないでくださいよ』
私は、窓の外に目を向けながら
外を見た。
この道知ってる…
「着いたよ」
着いたのは
可愛らしいお店の前
レンガ調の壁に
赤い屋根
『…あのチョコレート屋さんですか？』
「そう
ここ遅くまでやってるんだよね」
『遊佐さんと関わっていると
糖分取りすぎて早死にしそうです』
「じゃあ、他に好きなもの教えてくれる？」
この人に好きな物を知られると
こういうことが起きるのか…
私は、遊佐さんの言葉を無視して
車を降り1人でお店に入った
文句を言ってたわりに
心が躍る
大好きなチョコが沢山あることも
良いことだが
何しろ内装が可愛い
真っ赤なカーペット
棚にはそのカーペットと
同じぐらいに真っ赤なリボンを付けた
テディベアも並んでいた。
優しいオレンジの小さいランプが
天井に沢山吊り下げられており
それもまた可愛い
この店に1人で男性が入るには
確かに勇気がいるな
「気に入った？」
『はい…とても…』
何もかもがキラキラしていて
輝いて見えた。
「本当はご飯でもって思ったんだけど
このお店遅くまでやってるとはいえ
もう、そろそろ閉店時間らしくてね」
遊佐さんは「好きなの選んで」と
チョコを見るよりかは私を見ていた。
チョコは色々な種類があって
ナッツが入っていたり
ブランデーが入ってる物もあった。
見ていると
以前、遊佐さんから頂いた赤い包み紙でテディベアが
描かれているチョコもあった。
『遊佐さんも何か買って行きます？』
「うーん、僕あまり甘い物は食べないんだよね」
入りづらい店のうえに
甘い物も食べないなんて
本当に“わざわざ”この店に入って
チョコを買ってくれたんだな…
『これにします』
私は、ある程度見てから
一種類だけ決めた。
「これって前にあげたやつだよね？」
そんなに美味しかった？と
遊佐さんが笑っている前を素通りして
レジに向かう
「え？僕が払うよ」
『結構です』
財布を出そうとした遊佐さんを
私の手で遮りながら
会計を済ませようとした時
レジ前の物に目がいく
『すみません、こちらも頂けますか？』
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縦の糸(プロフ) - 桜ソーダ様:読んで頂きありがとうございます！キスマークの所を読んでニヤニヤしてしまいました笑更新する楽しみが１つ増えました！ありがとうございます！！また、読んで頂くと嬉しいです、よろしくお願いします！ (2020年8月18日 10時) (
レス) id: 1b6e254182 (このIDを非表示/違反報告)
桜ソーダ(プロフ) - こんにちは！いつも楽しく読ませて頂いてます！間接キスなどの場面が多いので、いつか主人公ちゃんにキスマークを…と思っています。これからの展開を楽しみにしています！応援しています！ (2020年8月17日 15時) (レス) id: c58ee93382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縦の糸 | 作成日時：2020年8月6日 2時
