苦手なはずなのに【2】 (ページ21)

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40話:間接的にページ21

「また、お酒飲んでるの？」

私の持っている缶をみて
遊佐さんがといかけた。

『ああ、福山さんの付き合いで
飲んでました』

福山さんあっちに行ってしまいましたけど
笑いながら返すと
遊佐さんが僕もまだ飲めるようと同じ様に笑う。

「Aちゃん、お酒なかなか強いね」

『いや、これ以上飲んだら
　流石におかしくなっちゃいます』

「えー、見てみたい」

『先輩方の手前なので嫌です～』

そう話していると石田さんがこちらに向かって

「遊佐くん
彩香ちゃんが呼んでるよ～」

遊佐さんが苦笑いをしながら
勘弁して下さいと言っているのを見て

『行ってあげて下さい』とお願いした。

えー、と少しだけ嫌な顔をされてしまう

「じゃあ、お願いきくかわりに
僕のお願いもきいてくれる？」

少し怪しい要求、
素直に首を縦に振れない。

しょ、正直怪しすぎて嫌だ…

しぶっていると
遊佐さんが、そのお酒ちょうだいと
言い出す。

なんだ、それくらいなら…と

ためらいもなくお酒を渡すと
私の顔を横目でみながら
全て飲み干した。

そんなにお酒飲みたかったのか？と
思えるほどニコニコしながら
ご馳走さまを言った後

私の右耳に囁いた。

「間接キス」

ふふふと誇らしげに笑いながら
彩香ちゃん達の元へ向かう遊佐さん。

一瞬時が止まった。

私は、石田さんが近くに居ることを忘れ

『はあああぁぁ！？！！？』

と、叫びながら
あんたは小学生かだとか
ありえない！！！と今日一番の動揺を
見せながらあの人を追いかけた。

他の3人だけキョトンしていたが
遊佐さんだけが笑っていて

この人はやはり
苦手な分類だと再確認した。