18 ページ50
「おはよ……」
「ゔうーん。」
范無咎は寝つきが悪かったらしく、しばらく起き上がらなかった。
「もー……しょうがないなぁ……」
私は髪を整え、台所に立った時あることに気づく。
「あ……食料買ってない。うわああ、しかも昨日何も食べてない！」
「……うるさいぞ。」
范無咎が起き上がってきた瞬間、ぐぎゅるるる……2人して大音量でお腹が鳴る。
「……今何時？」
「8時だ。」
「お店、行かない？朝ご飯を作れる気がしないから。」
「必安の好きにしろ。俺は構わない。」
私たちはフラフラした足取りで食事処を探す。この時間になると、流石に人々も外に出てきていた。范無咎の足の具合が心配なので、彼にはこの辺りで待ってもらって、私が道を聞いて回ったほうがいいだろう。
「ちょっと道聞いてくるね。」
「え、大丈夫か？お前1人で。」
彼の意図するところは多分、容姿のことで何か言われたりしないのか、と言うところだろう。だが、(自分自身ではあるが)時の二大将軍の片割れは髪も肌も真っ白だと言うことは、きっと多くの人が知っているはずだ。そんな人がいる、ということも今や世に広く認知されている。
「うん、大丈夫！何かあったら呼ぶからさ！」
「おう。じゃあ任せたぞ。」
范無咎は頷き、そばにある大岩に腰掛けた。私は近くにいた稲穂を担いだ男性達に声をかけた。
「あのー、すみません。」
「うわっ、何だ何だ？見ねぇ顔だな？」
男性達はジロジロと私を品定めするように見てくる。范無咎を連れてこなくて良かった。彼ならきっと耐えられない。(きっと怒る。)
「昨日の夜に引っ越してまいりました。謝必安と申します。」
「あああー！将軍様！お噂はかねがね伺っております！先日の任務は大成功との事で！」
「そう言ってくださるのはありがたい事です。」
この空気感になると、非常に将軍を辞したことを言いづらい。言わないとどうしようもないのだが。
「でもなんだってこんなど田舎に？」
「先日将軍職を辞したのです。まだここの事がよくわからなくて。」
「ああー、辞めちまったんですかい？残念だなぁ。あんたらが将軍をしてから貴族の違法徴税が止まったのに。」
おや、そうだったのか。存外自分たちも民衆の役に立っていたらしい。そんな風に言ってくれる人がいるのは幸せだ。そう思っていると、突然ふらりと体が傾く。あ、これはいけない。周りの男達と遠くからそれを見て駆けつけてきた范無咎の声を聞きながら私は意識を手放した。
ラッキーアイテム
たこ焼き
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
ラッキーキャラ
弁護士
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
manapanda3(プロフ) - 海守青空さん» あんぎゃぁ！なんて(嬉しすぎる)コメントを……wめちゃくちゃ嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年11月4日 6時) (
レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
海守青空(プロフ) - 神が！神作者がここに降臨したぞぉ！ (2018年11月4日 5時) (レス) id: 50227a5d2d (このIDを非表示/違反報告)
manapanda3(プロフ) - 文学少女さん» うわああ、なんて嬉しい……ありがとうございます。衝動で書いてしまったので、うまく行く見通しが立っていませんが、更新頑張ります！コメントありがとうございます！ (2018年10月31日 22時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - 好き！！！！！！(挨拶)← ww黒白無常好きなので続きが気になります！この話を読んで思わず『こんな事あったのかも』と楽しい気分になります！更新頑張ってください！ (2018年10月30日 22時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
manapanda3(プロフ) - なうちゃおさん» コメントありがとうございます(*^^*) 衝動書きなので期待通りの続きにできるかわかりませんが、もうそんなコメントいただけるだけでとても嬉しいです！ (2018年10月30日 5時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：manapanda3 | 作成日時：2018年10月27日 19時
