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ついに出立の日が来た。私たちは荷物をまとめて王宮を去る。王宮を出れば、次に行かなくてはならないのは……

「はぁ……」

「大丈夫か?」

「言うしかないんだもん。でもやっぱり気は進まないね。」

私達は私の実家に向けて歩いていた。父上にはなんて言おうか……昨日はあんなに自信満々だった自分を殴りたい。今になって怖気付いてきた。門の前まで来ると、門番が私を見てすぐに門を開ける。

「お帰りなさいませ!」

「この人も入れるね。親友なんだ。」

流石に兄弟とは言えない。范無咎も理解してくれているようだ。私は范無咎を自室に招き入れた。

「ここで待ってて。」

「1人で大丈夫か?」

「私達家族の問題だ。君が参加して妙な流れ弾を食らってしまっては困る。心配するな。」

心配そうにしている范無咎を部屋に置いて、私は父上の元へ足を運んだ。本心は、むしろ勘当してほしいと思っていた。父上から認められるのは嬉しいが、この一族は私を過小評価する。あまりに窮屈だ。私は白い鳥。人に育てられ、飛べないと決め付けられて鳥籠の中に押し込められるくらいなら、雨風にさらされても范無咎と大空を飛びたい。自由になりたかった。

「失礼いたします。」

「ああ、必安か。仕事はうまくいったようだな、私のところまで評判が来たよ。体は大丈夫かい?」

「とても調子がいいです。」

まだ、私が辞職したことは父上の耳に入っていないようだった。とりとめのない話をした後、私は深呼吸をして、本題を伝えた。

「父上、実は私は将軍の職を辞しました。」

「今なんと言った?なぜだ?なぜそんな馬鹿な真似をする?!」

父上は椅子から立ち上がり、私を平手打ちした。頰がじんわりと熱を持ち、口元は、予想外の打撃によって鉄の味が広がる。

「仲間を守れなかったからです。」

「仲間?お前は将軍を続けて、家族を守る方が良い。さもなくば勘当だ。」

私は父上の発した家族という言葉で、心にあった枷が外れた。

「家族?よくそのような言葉を私に言えますね。周りと違った容姿の私をその家族は化け物と疎んだではありませんか。血が繋がっているから家族、では無いと思いますよ。思えば、私は生まれた時から謝一族という枷に囚われてきた。自由になるためにここに宣言します。私は謝一族の装飾品では無い。勘当?大いに結構。私には血の繋がりより大切な人ができたので、その人の為、私の為にこの命を使います。」

私は父上の返事を待たずに部屋を後にした。

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manapanda3(プロフ) - 海守青空さん» あんぎゃぁ!なんて(嬉しすぎる)コメントを……wめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます! (2018年11月4日 6時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
海守青空(プロフ) - 神が!神作者がここに降臨したぞぉ! (2018年11月4日 5時) (レス) id: 50227a5d2d (このIDを非表示/違反報告)
manapanda3(プロフ) - 文学少女さん» うわああ、なんて嬉しい……ありがとうございます。衝動で書いてしまったので、うまく行く見通しが立っていませんが、更新頑張ります!コメントありがとうございます! (2018年10月31日 22時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - 好き!!!!!!(挨拶)← ww黒白無常好きなので続きが気になります!この話を読んで思わず『こんな事あったのかも』と楽しい気分になります!更新頑張ってください! (2018年10月30日 22時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
manapanda3(プロフ) - なうちゃおさん» コメントありがとうございます(*^^*) 衝動書きなので期待通りの続きにできるかわかりませんが、もうそんなコメントいただけるだけでとても嬉しいです! (2018年10月30日 5時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:manapanda3 | 作成日時:2018年10月27日 19時

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