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“黒無常は水害で亡くなった。白無常は心を病み、黒無常が亡くなった橋の下で縊死した。”
ドクドクと心臓が脈を打つ。呼吸が乱れる。ページの下の方に名前が書かれているようだ。
「まさか、まさか……」
“白無常の名は謝必安。黒無常の名は范無咎。黒無常は白無常の持っていた黒傘に魂を宿している。”
私は涙を堪えられなかった。彼は死んでしまってからずっと私を見守っていたのだろう。そして最後に一行、こう書かれていた。
“仲の良かった二人が顔を合わせる事は二度とない。かわるがわる生まれ変わり、かわるがわるすれ違い、憂う思いは断ち難い。”
荘園の主も言っていた。二人が対面する事はない、と。なんて事だ。誰よりも近くに居るのに、死してなお、私達が会う事はない。私は黒傘を抱きしめた。
「君はずっと近くにいてくれていたんだね。ありがとう、ごめんね。……会いたいよ、無咎。」
私は傘を抱えて長い間泣いていた。……どれくらい経ったのだろう。辺りを見渡すと、部屋にいたはずなのに、白い靄がかかった空間にいた。
「必安。」
聞き馴染みのある低くて優しい声。私はそこに思わず駆け出したが、見えない壁に阻まれた。彼の影がうっすらと見える。私は壁を叩きながら叫んだ。
「無咎、無咎なの？！」
「ああ。……夢の中でならと思ったが、無理だったみたいだな。」
彼の手の影がペタ、と向こうの壁に置かれた。壁と壁の間に距離があり、その間に濃い靄がかかっていた。
「必安、はんたー、とやらには会えたのか？」
范無咎が唐突にそんなことを言うものだから私は驚いた。
「うん。」
「詳しく聞かせてくれ。俺も共に活動する仲間だからな。」
「分かったよ。まずね……」
私はハンターのみんなのことを話した。靄の中でも彼が微笑んでいるのが分かる。全てを話し終わると、彼は私に言った。
「良い仲間みたいだな。良かったよ。俺もお前も安心だな。」
「うん、みんなとても良い人たちだよ。」
范無咎はクスリと笑う。
「必安、俺は姿こそ見えないがお前のそばにいる。この先ずっとだ。良い仲間もいる。お前は一人じゃない。だからもう泣くな。自分を許してやれ。二人で楽しく生きていこう。」
「うん。」
二人で楽しく、確かにそうだ。願った通りの形ではないが私達の願いは叶っている。誰かが呼んでいる。目を開けると、仲間達が笑っていた。私は彼らに微笑み返した。私は范無咎を紹介するために、黒傘を持って仲間達の元へ駆け出した。
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manapanda3(プロフ) - オリジナルフラグを外しました。指摘してくださった方ありがとうございます。返信の文章があまりにもひどかったので書き換えました。今後このようなことがないように意識していきたいと思います。 (2018年11月17日 16時) (
レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい違反行為なので。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2018年11月8日 23時) (レス) id: 860a58c456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：manapanda3 | 作成日時：2018年11月8日 6時
