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「ああ、来た来た。」
扉の方を見ると、全身を包帯で巻かれた男が立っている。隙間から見える肌には痛々しいほどの火傷の跡があった。
「レオ、この人だ。」
「なるほど。……レオ・ベイカーだ、よろしく。……白黒無常だったよな?」
白黒無常、という名前にまだ慣れておらず、曖昧な頷きかたをしてしまった。だが、レオは気にも留めていないようだった。
「じゃあ、ハンターの居住区に行こう。俺についてきてくれ。」
「は、はいっ!」
私よりも随分と背の低い彼はおそらく私たちより年上であった。父親くらいだろうか。扉を出ると、何かガヤガヤ聞こえる。
「ちょっと、ジョーカー押さないでよー。」
「しょうがねぇだろ、お嬢。ジャックのやつが無理やり覗き込むから。」
「ヘアァ、すぐ私のせいにしますねぇ。」
「しーっ、ちょっとうるさすぎるで。」
「うわ、我はもう限界だ、転ぶ!」
「うぐっ、し、死ぬ。」
バタバタと倒れこむ音。レオはため息をつく。
「おい、待ってろって言ったじゃないか。どういう事だ、ジャック。」
「えー、私のせいなのかい?しょうがないよ、みんなが新しい仲間を見たい見たいっていうから。……私も見たかったし。」
1番上に倒れこんだ、仮面を被りシルクハットを身につけた背の高い男性がケラケラ笑う。そして肩の埃を払い、私に手を差し伸べる。
「ハーイ、レディ。私はリッパーと呼ばれています。名前はジャック。ジャックとおよびください。」
するとレオが吹き出して笑う。
「最高の挨拶だな。さぁ白黒無常、名前を言ってやれ。」
「白黒無常です。私は謝必安と言います。」
ちらりとみんなの方を見ると、目を見開いている。そして、ジャックが頭に手を当てふらふらしている。彼はたくさん息を吸ってから叫んだ。
「男ォ?!」
蜘蛛のような女性がぽかんと口を開けてつぶやいた。
「東洋人って本当に男女の見分けがつかないわ。あ、私はヴィオレッタ!よろしくね!」
「そうどすか?うちは気づいてましたえ、よろしくなぁ、必安はん。うちは美智子いいます。」
美しい日本人の女性が私に微笑みかけた。すると、後ろからずるずると音がした。
「我はハスター。あ、タコじゃないぞ。神話生物だ。」
丸い目がハスターの顔にいっぱい埋まっている。どうなっているのだろう。そして、ピエロがバンバンと私の肩を叩いた。
「俺はジョーカー!この鹿頭がベインだ!」
私は勢いのいい挨拶に笑うことしかできなかった。
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manapanda3(プロフ) - オリジナルフラグを外しました。指摘してくださった方ありがとうございます。返信の文章があまりにもひどかったので書き換えました。今後このようなことがないように意識していきたいと思います。 (2018年11月17日 16時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい違反行為なので。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2018年11月8日 23時) (レス) id: 860a58c456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:manapanda3 | 作成日時:2018年11月8日 6時