Nobody 3

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彼らの出番が終わり 残りのアーティストを見た後

ゆっくりと会場を出た。








たくさんの音楽に触れて

私の心は 満たされているはずなのに






胸の鼓動は 鳴り続けていた。









新幹線で大阪向かっている途中に

壱馬に行くことを伝えると

打ち上げに来て欲しいと 懇願された私。









時間に合わせ 大阪の街へ繰り出すと

休日ということもあり 多くの人で賑わっていた。









「どこだろう…」









大阪をまるで知らない私は

キョロキョロと辺りを見回しては

スマホに映し出された地図を見比べていた。









川村 壱馬大丈夫?


A今探してる。近くにはいるんだけど。









その時 トントンと叩かれた肩。






振り返ると 知らない顔。









"おねーさん、1人？"

「あ、いえ…」

"かわいーじゃん！良かったら一緒にどう？"

「約束があるので…」

"そんなこと言わずにさ、ほら！"

「っ、いやっ…」









複数人の男に囲まれ

腕を掴まれ身動きが取れなくなる









腰に添えられる別の男の手




手首を掴む力が 少しずつ強くなり

カタカタと震え出した身体









あまりの恐怖に 声も出なくて

抵抗するのも 諦めようとした その時









ぐっと腰を引かれ

感じたことのある温もりと香り

耳元で低く響いた 何度も聞いたその声









壱馬 「…俺の大事な女(ヒト)に、気安く触んな。」









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